魂を揺さぶる「オモロガート」の魅力│3台のフェラーリが生んだ名車を振り返る

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GTOの“O”は、ホモロゲーション(認可)を意味する"Omologato"の頭文字だ。この名が与えられた3台の走りを3人の記者が振り返る。

Gran Turismo Omologato。スポーツカーの世界で、これほどセクシーで魂を揺さぶる言葉があるだろうか。「グラン・ツーリスモ・オモロガート」と舌の上で転がしてみてほしい。イタリア語らしく巻き舌で言えればなおいい。
 
フェラーリはGTO のバッジを3回使用している。250 GTO(1962~64年、39台製造)、288GTO(1984~87年、272台製造)、そして599 GTO(2010~12年、599台製造)だ。
 
だが、真のGTOは最初のモデルだけだという人も多いだろう。250 GTOは、現在、オークション最高値の記録を持ち、おそらく史上最も偉大なスポーツカーといっても過言ではない。これにあやかってフェラーリがGTOの名前を再び使ったのも当然だ。とはいえ、288にはGTOを名乗る正当な理由がある。308 にターボを搭載したコンペティションモデルのホモロゲーション取得を目的としていたからだ。対して599にGTOの名を冠したのはマーケティング戦略にすぎないという人もいるだろう。ただ、この場合もGTOは最上級仕様を意味していた。サーキット専用モデル599XXのロードゴーイングバージョンとして、一般人が購入できる最も速くパワフルなフェラーリだったのである。
 
元祖である250 GTOは、レースで活躍した最後のフロントエンジン車だ。スプリントレースでも耐久レースでも、3.0リッターという控えめな排気量で総合優勝を重ね、FIAの国際GTマニュファクチャラー選手権で2リッター以上のクラスを3年連続で制覇した。その名声はモデルを超えて、フェラーリ全体に究極のスポーツカーとレーシングカーのメーカーというイメージを与えるに至った。だからこそ55年たった今でも、"GTO"には人の心を震わせる力があるのだ。(Words: John Barker)

Words: Steve Sutcliffe

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