ポルシェが生んだ新しいルーフアレンジメント

octane UK

ポルシェはオープントップに前向きだったが、そんな折、米国でコンバーチブルが禁止されるのではないかという事態が発生した。1965年に出版されたラルフ・ネーダーの『Unsafe at Any Speed(死を招く欠陥車)』で自動車にまつわるあらゆる危険性が指摘され、社会現象を巻き起こしたのだ。しかし、ポルシェは新しいルーフアレンジメントを考案してこれに対抗した。それが1965年に誕生したタルガである。

「タルガ」はシシリアの有名な公道レースから取った名前だ。固定のロールフープによって剛性と安全性が保証され、脱着可能なルーフパネルをはずせばオープントップも楽しめるというものだった。

 
当初、ロールフープの後部はプラスチックの窓がついた布製だったが、風雨に弱かったため、1968年にカーブガラスに変わった。 

タルガは長年の間、人気ではクーペに及ばなかった。見た目で劣るし、水漏れもするという意見が多かったのだ。しかし最近、その特徴的な外観ゆえに初期のタルガに対する関心が高まっている。非常に良い状態のタルガでしかも911Sだったら、5年前には3万5000ポンドほどだったが、今では10万ポンドにも届く可能性がある。新モデルでもシート後部にステンレススチールのロールフープを設けている。これが今の流行ということだろうか。

編集翻訳:堀江 史朗 Transcreation:Shiro HORIE 原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA Words:Philip Raby and Robert Coucher

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