『最も美しいスポーツカー』の名を欲しいがままに

Bonhams

ブリグス・スイフト・カニングハムは多才な人物だったと言えよう。レーシングカーコレクターで、自らステアリングを握るドライバー兼チームオーナー。海の上ではアメリカズカップの優勝経験者であり、時には希代の発明家。そして贈り物のセンスも抜群であったようだ。
 
1955年、マセラティ300Sの最初の3台は工場から直接カニングハムの元へと出荷され、彼はそのうちの1台、シャーシ3053を気前よく友人でチームドライバーのビル・スピアにプレゼントした。スピアは新しい「おもちゃ」の性能を確かめるべく、直ぐに1955年のセブリング12時間レースにエントリー。彼とシャーウッド・ジョンストンのチームはあっさりと3位でフィニッシュした。スターリング・モスが「最も易しいスポーツカー」と評したように、バランスと機敏さを兼ね備えた抜群の走りを実証した。3リッター、6シリンダー、260 bhpを発揮する300Sは、果たして米国を横断して1956年にニューヨークのエンスージアストに売却された。その後はマセラティの第一人者とも言えるジョエル・エリック・ フィンに1964年に転売されている。
 
それ以降はオリジナルの状態を保つため細心の注意を払い、ていねいなメンテナンスを続けながらいくつかのヒストリック・カーレースにも出場してきた。オーナー遍歴が3人とたいへん少ないのも魅力。多くのコレクターの注目を集めるのも無理はない。1950年代の最も美しい車の1台でもあるため、 ボナムスでは350万ポンド以上の値がつくと予想。落札価格403万3500ポンド。

編集翻訳:編集部 Transcreation: Octane Japan 原文翻訳:数賀山まり Translation: Mari SUGAYAMA

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