「第7芸術を国際的に称揚する」、カンヌ国際映画祭

華やかな社交の場、かつ実用的な映画産業関係者の交流の場

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誰もが知っているであろう「カンヌ映画祭」。だが、その開催目的は?と問われると答えに窮する人もいるかもしれない。公式サイトの解説には「映画の発展に貢献するために作品を紹介し、援助すること、世界中の映画産業発展の援助をすること、第7芸術(※)を国際的に称揚すること」とある。(※第7芸術とは映画を指す)

その歴史は1939年まで遡る。当時のフランス国民教育 美術省のシャン・ゼイ大臣によって、ヴェネツィア国際映画祭に対抗すべく、フランスの国際的な文化イベントとして設立されたのである。当初は1939年に第一回目を開催する予定だったが、戦時中の混乱により、結局戦後の1946年9月20日に第一回目の映画祭が開幕した。その後例年9月に開催され、1952年からは5月に行われるようになり、季節の一大風物詩ともなっていく。

社交界の集いとして、世界の映画スターがレッドカーペットに登場する様子が報道されるにつれ、次第に国際的な評判が高まっていく。さらにはセレブリティの交流の場としてだけではなく、1959年のマルシェ デュ フィルム以降、映画祭は職業的意義を持ち始め、現在では映画産業関係者間の出会いや交流を促進する場となっている。

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コンペティション部門の最高賞とされるパルムドールは、カンヌ市の紋章であるシュロ(palme)をモチーフにしたものだ。初めてのトロフィーは1955年に映画『マーティ』のDelbert Mannに贈られた。1998年からはショパールがジュネーブの宝飾アトリエでパルムドールを作り続けている。

2017年の主な受賞結果
パルムドール:『THE SQUARE』 リューベン・オストルンド
70回記念賞:ニコール・キッドマン
グランプリ:『BPM(Beats Per Minute)』ロバン・カンピヨ
監督賞:『THE BEGUILED』ソフィア・コッポラ
男優賞:『YOU WERE NEVER REALLY HERE』ホアキン・フェニックス
女優賞:『IN THE FADE』ダイアン・クルーガー
審査員賞:『LOVELESS』アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本賞:『YOU WERE NEVER REALLY HERE』リン・ラムジー、『THE KILLING OF A SACRED DEER』ヨルゴス・ランティモス

カンヌ国際映画祭オフィシャルサイト(日本語)
URL:org-www.festival-cannes.com/jp.html

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