常識外れの姿!ワンオフスーパーカー2台が売りに出される│なぜ手放すのか?

Photography: Gensho HAGA

自分の好みや意図に合うよう数ミリという次元でパーツのデザインにこだわり、自らその車のオーナーとなる人物が持つ深いこだわりは、どこを取っても唯一無二のものであろう。そして、さらに本当の伝統を知り尽くした人間との出会いにより、空前絶後の創造物を世に残すことができる。これこそ現代のアートとも呼べる車。それがこれだ。

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この異質で圧倒的な存在感を放つ2台は、フェラーリ・エンツォを手掛けた日本人カーデザイナーであるケン・オクヤマこと奥山清行氏が製作したスペシャルカーである。真っ赤なボディの1台はフェラーリ599をベースにしたkode57。kode57は3台が製造された。またメタリックシルバーに輝く1台はランボルギーニ・アヴェンタドールをベースにしたkode0だ。この車はまったくのワンオフである。現所有者はある日本人会社経営者K氏だ。彼の依頼によってこれらの車は生み出されたとも言える。なぜ、このような特別な車が製作されるに至ったのであろうか。そこには運命とも言うべきストーリーが潜んでいたのであった。




 
幼少期からスーパーカーへの羨望を抱いていたK氏は、その情熱をひたむきに彼独特のカーライフへと向けてきた。結果としてこれまでにディーノ、フェラーリのデイトナやF40 、288GTOなどクラシックモデルも含め、多くのフェラーリの所有を実現したのだ。性能やデザインも含めてフェラーリ・エンツォを特に好んでいたこともあり、やがて「ケン・オクヤマ氏に直接会ってみたい」という想いを抱くようになった。そんなある日、自身がエンツォを購入した某スペシャルショップの代表にその想いを何気なく話したところ、「そういうことならば、ぜひ紹介をしますよ」という流れになったという。

以来、K氏は幾度かケン・オクヤマ氏と話す機会を得て、自ら培ってきたフェラーリを軸とするスーパーカーへの愛を伝えたのだ。そして多くの名車を見て、乗ってきた人間同士だからこそ感じることのできる感覚の中で意気投合する。K氏は、もちろん今でもフェラーリを好み、新しいモデルも買いたいとは思うが、最近のモデルは車高がやや高かったり、車幅が狭かったりと自分の理想とは少し違っていたという。そこで、オリジナルで理想のフェラーリを製作してほしい、とケン・オクヤマ氏にオーダーし、すぐに上がってきたいくつかのスケッチからkodeのスペチアーレ・プロジェクトがはじまっていったのだ。

「依頼のタイミングが、1カ月早くても遅くても、僕は請けることはできなかった」とケン・オクヤマ氏から聞いた時は、鳥肌が立つほどの運命を感じたそうだ。


 
そのようなきっかけではじめに仕上がったアルミニウムと炭素繊維強化樹脂製ボディのkode57は、ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング2016にてお披露目され、世界中から大きな注目を集めた。この車はとことん車高と車幅にこだわり製作してもらったとのこと。そしてケン・オクヤマ氏の「次はガンディーニ作のストラトス・ゼロへのオマージュとして作りたい」という想いを受け、kode57に続くかたちでkode0の製作がはじまった。kode0は、これも翌2017 年のザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリングにて公開された。ノーズからテールエンドまで1本の線でつながっているスタイリングが特徴となっている。


 
この常識を超えた車を見ていると、"注目が集まるスーパーカーを作る"ことに注力したのかと思ってしまいそうだが、そうではない。そこにあるのは真のスポーツカーへの純粋な情熱や愛、伝統を尊ぶ想いなのであった。



しかし、時には自分の憧れを手に入れたとしても、また何かを欲しくなるのが人間というものだ。この2台は"One to One Program"を通じて売りに出している。"One to One Program"とは、“特別な車を、その想いを受け継いで大切にしてくれる次のオーナーを探す”というオクタン日本版が行うプログラムである。手放した後は次になにが欲しいのか伺ってみた。そして返ってきた言葉はこうだ。「子供の頃から夢だったティラノサウルスの化石を入手したいんです」

販売希望価格:
kode57 1億5000万円
kode0   1億3000万円

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オクタン日本版編集部

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