ジャガーのデザイン部門を20年率いた人物が退任

Jaguar

20年間に渡り、ジャガーのデザインを率いてきたイアン・カラムが退任する。2019年7月1日よりは、ジュリアン・トンプソンがデザイン部門代表を務めるという。

イアン・カラムは14歳の時にJaguar XJ6を初めて目にし、車をデザインすることへ夢を抱いたという。XJ6にインスパイアされたイアンは、当時のチーフエンジニア、ビル・ヘインズにスケッチを送った。

初期の彼の仕事に多大な影響を与えたのは、アメリカ車であった。 「デザインが好きでした。誇張ともいえるあのデザインは、 他のクルマに比べて間違いなく主張があったからです。私の中で、アメリカ車はとにかくグラマラス。65年式ビュイック・リビエラが特にお気に入りでした。 そしてその魅力はクルマの外観から来るだけではなく、目に見えない何かがあったのです」

グラスゴー芸術大学で学んだ後、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのビークルデザイン科で修士号を修めたイアン。 彼の才能はフォードによって高く評価され、12年に渡り同社の人気車種のデザインに携わった。その後、TWRに移籍した彼は、アストンマーチンでDB7、ヴァンキッシュ、DB9、フォードのプーマ、ボルボC70、そして日産R390など、今日でも人気を集める数々のプロジェクトを手掛けた。

そして1999年、ジャガーのデザインディレクターとして声がかかり、彼の長年の夢がついに叶う。 彼が考えるブランドのクリエイターとしてふさわしい仕事は、作り上げたクルマの中にその明確な意義がしっかり備わっていることだ。

「歴代のデザイナーたちが、どれだけ必死にデザインとテクノロジーの可能性を広げてきたか、私たちは十分に理解しています。 ジャガーは常に先進的な企業で、現在に至るまで私たちの仕事はその企業哲学で満たされているのです」 このことは、XK、XF、XJシリーズを栄えある受賞に導き、新型F-TYPEを発表したイアンの仕事に明確に反映されている。

「Jaguarといえば、その見事なプロポーション、すばらしいシルエット、メタルを最大限に活かした表現力。ラインを2、3本引いただけで、よいデザインかどうかは決まると常に信じています」

「私の中の判断基準は、いつも『サー・ウィリアム・ライオンズは、どう思うだろうか』 。 彼は必ず認めてくれるだろうと思います。それも大喜びで」 彼は、次のジャガーを完成させるために日々努力をする優秀なチームを率いていた存在であったのだ。

退任後も、他のメーカーのデザイン部門にいくのではなく、ジャガーとの関係性も保ちながら何かしらのかたちでデザインに携わっていくとのこと。

オクタン日本版編集部

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