歴代すべてのフェラーリV8モデルへ捧げるトリビュート

Photography: Octane Japan

2019年3月のジュネーヴ・モーターショーで発表された新型フェラーリ F8トリブートの実車が東京都現代美術館にて披露された。改修のために3年間の休館を経て、この3月にリニューアルオープンしたばかりのコンテンポラリー・アートの殿堂である東京都現代美術館は、「フェラーリ史上最強の」V8オマージュ・モデルを公開する場にふさわしい。

故きを温ねて新しきを知ることは、学問やアートに限った話ではない。美術館に入ってまず出迎えてくれたのは、エントランスフロアに展示されたフェラーリ308GTBとF40。伝統的なフェラーリの8気筒ベルリネッタだ。




このたび発表されたF8トリブートはこれらの歴代モデルに敬意を表し、それぞれのシンボルとなるモチーフを取り入れている。308GTBからは4灯のテールライトが配置されたテールパネルによりクラシカルなテール構成を継承。




ルーバー(スリット)入りのリアウインドウを通してエンジンルームを見ることができるのはF40譲り、といった具合だ。





リアウインドウ越しに見ることができるエンジンは、2016年から4年連続で「国際エンジン&パワートレイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したV8エンジンで、フェラーリが40年以上の歳月をかけて追求し続けてきたもの。90°V型8気筒ターボ、総排気量3902ccのエンジンの最高出力は720hp/8000rpm、185hp/lという数値を誇る。488GTBと比較すると50cvの増加であり、ゼロ・ターボラグというのも特筆に値する。




さらにエアロダイナミクスについても改良が加えられ、エンジンパワーを最大限活用することが可能となった。これまでの488GTBと比較してもエアロダイナミック効率は+10%、熱効率も改善されて出力が強化されている。サーキットで培われた経験と技術が注がれたエアロパッケージは488 Pistaからいくつか受け継いでいるが、フロント部分にあるS-Ductが再設計され新しくなったことで、488GTBよりも増大した総ダウンフォースにおけるS-Ductの貢献度は15%まで向上したという。







このように最新・最良を追求した結果、完成したこのモデルは「名は体を表す」とでもいうべきか、歴代すべての「F」errariのV「8」モデルへの「トリビュート(賛辞)」と表現することができるだろう。

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事