伝統を受け継いだフラッグシップモデルとは?

XMはCXの後継車として開発され、1980年代の終わりに世に出た。PSAとなって初めてのシトロエン・フラッグシップとなるモデルであり、AXのときと同様、大役を負っているといえた。XMという車名からも想像がつくが、CXだけでなく、より一段上のステータスを有したSMのことも念頭にあったといわれる。XMは大統領専用車としても登用されることになった。
 
シトロエンのフラッグシップとして重要なのは、やはりまずスタイリングである。それにはCXの特徴を継承するのが妥当と思えるが、実際デザインコンペではそのような方向性が目立った。ところが採用されたのはどちらかというとBXに近い角ばったデザインであり、これはベルトーネのマルク・デシャンの案だった。ちなみにコンペにはガンディーニも参加していたが、このときはすでにベルトーネから独立していた。
 
直線で構成されているとはいえ、XMはシトロエン旗艦モデルの伝統となっていた雄大なファストバックボディを受け継ぎ、えもいわれぬエキゾチックな雰囲気を醸し出す。
 
メカニズムでは、油空圧サスペンションが新たにハイドラクティブになったのが注目される。これはアクティブサスペンションであり、ソフトとハードを走行状態によって切り替えるものだった。従来のハイドロニューマチックはソフトゆえにジオメトリーにアンチダイブ機構などを盛り込む必要があったため、走行条件によっては荒さが感じられる場面があったが、それが必要なくなり、乗り心地や姿勢変化などの点で走りが進化して、洗練された。
 
ただXMは初期に電気系トラブルがあったことなどから、モデルライフをとおしての販売台数はあまり伸びなかった。エンジンは直列4気筒のガソリンやディーゼルのほか、3リッターV6も搭載された。SM以来となる6気筒の復活であった。

文:武田 隆 Words:Takashi TAKEDA

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