ポルシェ911に魅せられた人生│40台にものぼるコレクションを走らせる

Porsche AG

破れたジーンズに、腰まで伸びたドレッドヘアー、タトゥーだらけの腕。"もし君のルックスを周りのみんなが好きだと言うならば、そこにはいないほうがいい"そう話すのは、ファッションデザイナーであるマグナス・ウォーカーだ。ファッションデザイナーでもある彼だが、その名を有名にさせているのは膨大なポルシェ911のコレクションだ。

出身はイギリスのシェフィールドだが、南カリフォルニアを主な活動拠点としており、ロサンゼルスにある古い工場をストレージとして使用している。スピードこそが彼の人生において大事なエッセンスだと言い、出版している本を通してドライブを楽しみ続ける方法などを伝え続けている。 "レースのように毎日ドライブをするんだ、時には自分の本心に逆らってでも走り続けるんだ"と彼は話す。



初めてポルシェ911に出会ったときのことを、イギリスアクセントでウェストコーストのスラングを交えながらやわらかな口調で話してくれた。1977年にロンドンで開催されていたアールズコートモーターショーに父と行った時、レッドとブルーが入った911を見て一瞬で心を奪われたのだそう。"自分にとって夢の1台になることはすぐに分かったね"と言葉を付け足す。

当時、シェフィールドでは、トラックやトラクターのような商業用の車ばかりが走っていてスポーツカーなど目にすることはなかったのだ。彼に出来たことと言えば、テレビの前に父と座り、F1を見てジェームス・ハントの応援をすること。レースの世界では、自由と自己主張が大事なものだと感じたと話す。レースには憧れたが、シェフィールドを走ることには魅力を感じなかったこともあり、ロサンゼルスへと移った21歳になるまでは運転免許を取得しなかったそうだ。その4年後、はじめてのポルシェ911を7,500ドルで購入した。



マグナスは1982年に学校を辞め、サマージョブのためにアメリカへ渡り、そのままカリフォルニアに残った。夢を叶えるためだ。そこから自身でデザインした洋服の販売をはじめて、不動産業もスタートさせた。"良いと思ったら、とにかくやればいい"と言う。

事業をはじめて以来、彼のポルシェコレクションはどんどんと増えた。"正確な台数は分からないけれど、だいたい40台くらいかな" とのこと。

ここにあるほとんどのポルシェは、もともとひどい状態で見つけられたものばかりである。それを彼が救い出し、すべて自分で手を加えて唯一無二のポルシェを創り出している。子供の頃、憧れだった"スポーツカー"の姿を再現しているのだそう。着せ替え人形のように何度もペイントされることはない。傷が付いても、それはその車の味であり"車は走らせなければ意味がない"のだから。

現在、新しいビジネスなどを積極的に行う気はなく、とにかくこれまでに経験したことのないようなことをしていきたいとのこと。昨年の夏は、911 GT3でドミニカ共和国をひたすら走り続けていたそうだ。どこに行っても何があるか分からず、舗装もされていない道ばかりの場所を走ると純粋な楽しみを感じられるのだ。

次は911と共にどこを走ろうか、常に考えているのだとか。

Words: Porsche newsroom 抄訳:オクタン日本版編集部

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