歴史に翻弄された幻の時計が生まれ変わる│新生モデルが刻む新たな歴史

歴史に翻弄された幻の時計と言われる、フォーブル・ルーバ「シースカイ」。生まれ変わって誕生したレイダー・シースカイの歴史は、1969年に「シースカイ ファーストモデル」が登場したところからはじまる。ファーストモデルは1969年以降、ごく僅かの時期しか生産されなかった。ムーブメントには「バルジュー72」を搭載、近年のオークションにおける「バルジュー72」の人気により、アンティーク時計市場において「シースカイ ファーストモデル」は幻のモデルとなったのだ。

現行モデルの原点であるセカンドモデルは1970年代に登場し、「レトロスポーティーなクロノグラフ」として現在、海外オークションにおいて高い人気を誇っているが、ほとんど見かけることはなくなった。 1969年より始まった「クオーツショック」により、世界市場において、ゼンマイを動力源とする「スイス製の機械式時計」は、電池と水晶からなる「日本製のクオーツ時計」にとって代わられたのであった。



ファーブル・ルーバにおいては1969年に創業家のファーブル家が、ジャガー・ルクルトなどが所属していた「サフィールグループ」のオーナーに就任。ジャガー・ルクルトと共に困難な時代に立ち向かったが、クオーツショックの影響は大きく、1978年にファーブル家は、サフィールグループおよびファーブル・ルーバのビジネスを手放さざるを得ない状況となり、1737年より8代にわたり続いた創業家による経営が終焉を迎えることに。 つまり、シースカイのファーストモデル(1969年〜)やセカンドモデル(1970年代〜)は、機械式時計からクオーツ時計へと世の中のニーズが変遷する時期に造られ、会社としても創業家の経営が終焉を迎える時期のモデルであったため、製造数は多くなかったのである。



1978年以降は、ファーブル・ルーバブランドはベネドーム(のちにモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下となるが、その後2003年に再独立を果たす。2016年、「レイダー・シースカイ」が、1970年代に発表された「シースカイ セカンドモデル」のデザインとスペックを継承するモデルとして誕生した。

大きなインデックスと独特の形状の長短針、14角形の風防リング、クッションケース、すべてのディテールがかつてのモデルへのオマージュとしてデザインされている。



2019年は新色として、オレンジやイエローの文字盤と、ブラックのインダイヤルが美しいモデルが発売。現行モデルのデザインに影響を与えたセカンドモデルが発売された1970年代によく使われていたカラーリングを、現代にリファインしたものだ。スポーティーなフォルムの上で織りなす「鮮やかな色彩」と「ブラックのインダイヤル」のコントラストが映し出すのは、20世紀半ばに人々が描いた未来像である。

レイダー・シースカイ 
ケース径:44mm
ケース素材:ステンレススティール
防水性:200m
ムーブメント:自動巻き(バルジュー7753ベース:毎時28,800振動、パワーリザーブ約40時間)
仕様:時間、分、スモールセコンド、クロノグラフ秒針、30分積算計、12時間積算計、日付表示

イエロー ラバーストラップ 42万5000円 レザーストラップ 43万5000円
オレンジ レザーストラップ 43万5000円 ステンレススティールブレスレット 47万5000円
※税抜価格

オクタン日本版編集部

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