マセラティが生んだ4シーターのスポーツカー はじめて海を渡ってから50年

Maserati

2019年7月1日は、マセラティのある1台にとって記念すべき日であった。最初の1台であるマセラティ・インディが、モデナからスイスへとデリバリーされた日から、ちょうど50年を迎えたのだ。

そのインディはスイス・キアッソのインポーターへと送られ、スイス人のビジネスマンが購入。ゴールドメタリックカラーのエクステリアとブラウンレザーのインテリアを持つインディに仕上げられた。

インディは、1968年のトリノ・モーターショーのヴィニャーレブースにて展示され、翌年のジュネーヴ・モーターショーではマセラティブースにて正式にデビューした。1968年、マセラティはギブリやメキシコ、ミストラル、クアトロポルテ、セブリングなどのモデルで計700台の車を生産している。同年には、イタリア国内でシェアされている3500ccを超える車のうち43%をマセラティが占めていたのだ。



快適で、扱いやすいスポーツカーを求めているカスタマーに向けて、新モデルの開発を進めた。そして、ヴィニャーレが手がけた4シーターのスポーティで快適、かつ高性能なAM116が誕生したのだ。その車はインディアナポリスで1939年、1940年と栄光を獲得した8CTFへの畏敬の念を込めて"インディ"と名付けられたのである。

インディには、リトラクタブルヘッドライトやスレンダーバンパーの下に取り付けられたエアースクープなどスポーツカーらしい要素を数々取り入れていた。低く平たいノーズは空力を意識してデザインされたものだ。エンジンは初期型には、4.2リッター V8 DOHCエンジンを搭載し、最高出力264ps/5,500rpm、最大トルク36.9kgm/4,000rpmのパワーであった。スタンダードモデルでは、ZF製5段MTが搭載され、リクエストでボルグワーナー製3段トルコン式ATが選択できた。



1970年には、マイナーチェンジされ、4.7リッターにまで拡大したエンジンを搭載し、最高出力294ps/5,500rpm、最大トルク39kgm/3,800rpmのパワーにまで進化。1973年には、シトロエンのハイドロシステムを搭載したインディが発表された。



装備も優れており、当初からオプションでAT、パワーステアリング、ラジオを選ぶことができたのだ。1973年から、エアコンが標準装備となっている。1969年から1975年まで、モデナにて計1102台のインディが生産されている。

1974年に、サンルーフなどのオプションを加えたオーナーは、今でもインディを大切に保管しているそうだ。

オクタン日本版編集部

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