腕ですべてを操作する、自分専用ポルシェ911を作った人物の物語

Porsche newsroom



ベンチにあがると、アルプスの空気を深く吸い込んだ。ポルシェと僕の関係は若い時にはじまったよ。10代で、友達と村で遊んでいたんだ。そしたら、急にチェーンソーのような、これまで聞いたことのないノイズが聞こえてきた。そこに現れてきたのがポルシェだった。その瞬間から虜になっているんだ"と目を輝かせながら彼は話してくれた。

銀行での安泰な職を辞め、ポルシェに少しでも近づくためにメカニックのトレーニングを受けてワークショップを開いた。そこでは自分のためにレストアを行えるようなショップを営み、後に"オールディガレージ"という名が付けられた。

脚がないフーバーの、ポルシェに乗る という夢をまともに相手にしてくれる人はほとんどいなかったそう。助けてくれる人もいたが、立ちはだかってきた人もいたという。しかし、彼はこの夢を自分の手で成し遂げたかったのだ。ちなみに、彼は自分の家すらも建てたらしい。



"ある時から、僕の仕事に評判が付いてきたんだよ。そして29歳の時にやっと念願の911を手に入れた" ブラッドオレンジの1972年 Fモデル、ボンネットの真ん中に給油口がある珍しい1台だったのだが売ってしまったそう。

"だいたいの人が経験するように、売ったことを後悔している。そして、911 Tを買って今ではそれに乗っている。当分、売る気は無いよ"

ラリーやレースに参加するにあたって、彼のポルシェには必要のないものを全て取り除き、エンジンは200psまで拡大した。そして、ワルター・ロールからドラフトの仕方を学んだそうだ。フューエルキャップには、ラリー世界チャンピオンからのサインがいくつか見られた。

"ハンディキャップが無かったとしても、特に何も変わらなかったよ"と、彼は今日も曲がりくねった道でポルシェを走らせる。

Words: Porsche newsroom 訳:オクタン日本版編集部

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