スタイルコンシャスな存在感抜群のコンパクトハッチ

PEUGEOT CITROEN

2001年に誕生したC3はピカソに続いて、シトロエンの存在感を示すモデルだった。C3は今までのサクソやAX同様に、ニッチではなく、コンパクトカーのBセグメントに真っ向から挑む車種だったが、デザインコンシャスのファンカーとも思えるくらいの、個性を打ち出したスタイリングが注目された。なんといっても特徴はその丸いルーフであり、Aピラーまでが湾曲している。メーカーはそうは言わなかったが、C3はピカソ以上に2CV を感じさせる佇まいであった。

実は1998年にC3の原型を示したコンセプトカー、C3ルミエールが発表されており、生産型よりさらに丸かったボディは、"ヌーヴェル2CV"などとあだ名されていた。C3プルリエルは、よりいっそう2CVを思い起こさせる。ルーフはやはりアーチ型で、そのうえルーフが全面キャンバストップになっている。ただプルリエル(複数)という車名が示すように、そこからさらにルーフアーチを外したりして、「オープン」の形態を何種にも変化させられるのが、現代的でユニークだった。


 
2009 年にC3はモデルチェンジして2代目となった。初代が成功作となったので、2代目はキープコンセプトで再び丸いルーフがフィーチャーされた。ただ2代目は、ファンシーさの目立つデザインだった初代よりは、やや走りも感じさせるような佇まいになり、これは男性ユーザーをもう少し増やそうとしたことも背景にある。初代はサンルーフで開放感を演出していたが、2代目C3は、広大なゼニス・フロントウィンドウを採用しているのが特徴だ。
 
初代C3の兄弟車は、スポーティな性格付けをしたC2で、スタイリングはまったく違うものになっていた。ちなみに2代目C3では、その2ドア版モデルはDS3として発売され、新しい別ブランドとして展開されることになった。

文:武田 隆 Words:Takashi TAKEDA

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