過去から未来へ BMWコンセプトカーの系譜│現代に受け継がれるエッセンス

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オフィシャルにはっきりとは言わないが、M1とi8には繋がりがあるはずだ。この真っ赤な車は、BMW M1へのオマージュとして2008年に製作されたコンセプトカーであるM1オマージュ。2011年に発表されたi8コンセプトと比べてみよう。

この2台は全く似ていないようにも見えるが、似ているところもある。どちらもBMWならではのキドニーグリルが潰れたデザインになっているし、フロントライトは細長く水平だ。これは1978年のM1を意識したものであるが、さらに元をたどれば、1971年にポール・ブラックがデザインした1972年 ターボ・コンセプトになる。

BMWはこのようなコンセプトカーが好きなようだ。時には、i8コンセプトカーのように続いて発表される市販モデルに似ていたりもする。しかし、とてつもなく突拍子のない1台を生み出してくるときもある。次はどのような車が登場するのかと空想することが楽しみであったりもするのだ。



例えば、2008年にはデザイン部門のトップを務めるクリス・バングルが手がけた、ジーナ・ロードスター コンセプトを発表した。ボディフレームはカーボンファイバーの棒で構成され、素材はポリウレタン。構想は発表されたものの、実車化には至っていない。

翌年には、これまた素晴らしいVision EfficientDynamics コンセプトを発表している。(2ワードの間にスペースが無いのは意図的である)。2年後にVEDはi8コンセプトへと進化し、それが2014年から市販化されているi8へと繋がっているわけだ。

M1オマージュはあくまでもM1誕生の歴史を祝うためだとBMWは言っている。しかしながら、その言葉を信じる人は誰もいないであろう。BMWが、新たな全盛期を作りあげるためのモデル製作を行っているのは誰しもが分かっていることなのだ。

結局のところ、1972年からドラマティックな演出をする要素としてターボ・コンセプトに備わっていたガルウィングが存在していた。i8に備わっていたシザースドアも同様で、それがBMWにとって新たなスタイルを形成することになった。現代にもこの要素が受け継がれていると知れば、ターボ・コンセプトを作りあげたポール・ブラックは名誉に感じること間違いないだろう。

Words: Mark Dixon 訳:オクタン日本版編集部

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