1939年と現代で変わらないものとは?ある英国人アーティストの衰えない魅力を探る

Illustrations courtesy of Bodleian Library

ヒース・ロビンソンの1939年のイラストレーションの本。マーク・ディクソンがこの最も英国的なアーティストの衰えない魅力について考える。

『最近のイギリスでは、法律を遵守することと車のオーナーになることを両立するのは事実上不可能だ』それについて議論することはできないとあなたは思うかもしれない。しかし、そのことは1939年に出版された『How to be a motorist』の出だしの部分に書かれていた。時代が変わっても変わらないものがあるものだ。

『How To Be A Motorist』 は、1930年代W・ヒース・ロビンソンによる、How To…というイラストによるユーモラスな本のシリーズの一つであった。彼の家族たちも漫画家として1912年ぐらいからイギリスでは有名であった。彼が亡くなって70年以上経った今でも、『ヒース・ロビンソンみたいな』と言う表現を使うことがある。動かない様に見えるにも関わらず動くことや、独創的な急場しのぎの仕事や下手な仕事を表現する時に使われる。

ブレッチリー・パークの暗号解読員たちが、第二次世界大戦中に初期のコンピューターで実験をしていた。彼らの業績の一つはヒース・ロビンソンと呼ばれた。今日私たちは、ウィリアム・ヒース・ロビンソンをロウランド・エメットやラッセル・ブロックバンクの様な一握りのイギリスの偉大な漫画家の一人として記憶しているが、彼は常にそれよりも真剣に受け止められたいと望んでいた。

1872年に芸術家一家に生まれ、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで学び、風景画家になりたいと思っていた。しかし、請求書の支払いのために、本のイラストを描く仕事をしていたのだ。1900年初め頃には、彼の作品は有名な雑誌でも見られるようになり、第1次世界大戦後は、出版と同時に広告にもコンスタントな需要があった。ヒース・ロビンソンは、How To Be A Motoristで小説家のKRG・ブラウンと一緒に仕事をしていた。

彼も1930年代頃にはそれなりに有名であったが、今は殆ど忘れられている。ブラウンの文章はヒース・ロビンソンの挿絵にぴったりで、控えめで、とても英国的なドライなユーモアを表現していた。ブラウンがサイクリストを題にしたものを例に挙げる。



『祭日や特別な機会には、主要な道路は派手な羽毛を着た人たちが行き交っていて、みんなが猛烈な勢いでこっちからあっちへ、そして帰るためにまた猛烈な勢いでペダルをこいでいる。彼らは、たくさんのクロッケーの輪の様に若々しい体のカーブや、めまぐるしく回転する彼らの小さな足は、とても魅力的にも見える。しかし・・サイクリストたちは、状況が許す限り広く適した場所を与えられるべきである。どんな車も自転車が半分乗っかり、車の前面に突き出たものが全く知らない人に突き刺さった状態はいい状況ではない』

Words: Mark Dixon 訳:古川浩美 Translation: Hiromi FURUKAWA (Ruote Leggendarie)

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