シトロエンの魅力を伝える関西の老舗店 AUTONEEDS│オランダ自社工場から日本へ

Photography:NOWORK c.p.d.

京都市伏見区。静かな山間の住宅街を先へ進むと、小高い丘の上に年代様々なシトロエンがずらりと並ぶ。その光景は、好きな人にとってはワクワクが止まらない素敵な眺めでもあり、さらに少し登った場所にあるショールームへ足を踏み入れると、自然と笑みがこぼれてくる。
 
1998年の創業以来、一貫してオールド・シトロエンのレストア販売を主としてきただけあって、ストックヤードに保存されている車両の種類や台数は、国内でもトップレベルであることは間違いないだろう。また、海外とのネットワークを駆使したクオリティの高いレストレーション、柔軟性に富んだ部品の調達、そしてレアなモデルを日本で乗るためのノウハウや技術など、その仕事ひとつひとつがオンリーワンであることは自他共に認めるところ。



関西でシトロエンと言えば…というくらい、ファンにとってはお馴染みのアウトニーズも、令和の時代を迎えた今、新たなステージを目指しているのだという。
 
アウトニーズの最大の強みは、ヨーロッパ各地の拠点との緊密な連携力。オランダに構える自社レストア工場には、フランス、ドイツ、ベルギー、時には南アフリカなどからも、ベース車両を仕入れて運び込むという。レストア作業は90%を現地でおこない、残りわずかの工程だけを日本で仕上げる。その理由について、現在のアウトニーズを統括している伊藤悠太氏に聞いてみた。
 
「まず日本に比べて、オランダはレストア文化が盛んで、環境が整っています。レストアというのは、シャシービルダー、鈑金、塗装、亜鉛メッキ、部品商など、各ジャンル毎にスペシャリストの仕事を熟知していることがとても大切です。そして、オランダでは1台ずつ少ロットの仕事でもキッチリと対応できて、コスト面においても無駄がありませんが、日本では同じようにはいきません。職人の数や質、旧い車を直して乗るという文化的な部分においても、オランダでのレストアは圧倒的に有利なのです」
 
クオリティとコストを高い次元でバランスさせるために選ばれた、レストアの聖地・オランダ。アウトニーズが自社工場を置いているのは、ただの偶然ではなかったようだ。


 
「オランダで毎年開催されるシトロモビルで出逢った現地人のパートナーが、これから自身の工房を構えるという話になった時に、弊社の二井社長が投資をしたことで事業がスタートしました。これは、海外のエージェントに任せっきりの仕事では成し得なかった事例であり、ヨーロッパ各地の接点でアウトニーズならではの仕入れやレストアを妥協せずに続けてきた賜物だと思います。私自身も、実は岐阜県の輸入車販売と整備の会社をやりながら、二井社長との縁があって今ここで様々なプロジェクトを動かしています」
 
老舗ならではの実績と経験を備えた会社に、若く志の高い伊藤氏が合流したことで、アウトニーズの魅力はさらに昇華していった。
 
「元々日本に少ないシトロエンの車両を海外から持ち込み、その魅力を広く知らしめたい思いは、二井社長も私も共通です。生きた個体を現地で自分達が品定めして、レストアの方向性まで決めて、クオリティもチェックする。そうした細かい仕事は日本人の得意とするところですから、このノウハウは近い将来、次のステージでも大きな結果を生み出してくれると思っています」


 
オールド・シトロエンのレストア販売における次世代スタイルとは、果たしてどういうものなのか。これからアウトニーズが取り組んでいく新しいビジネスモデルはまだ明かされないが、ファンならずとも期待は膨らむばかりである。


〒612 - 0833 
京都市伏見区深草大亀谷岩山町185 - 1
TEL:075 - 646 - 0213 
営業時間:10 : 00~18 : 00 
定休日:月曜日、第1日曜日 
https://www.auto-needs.com/

文、写真:ノワーク Words and Photography:NOWORK c.p.d.

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