世界に1台 ツートーンカラーのフェラーリがオークションに│インテリアのカラーは?

RM Sotheby's

1950年代、フェラーリオーナーたちは愛車を特色のある見た目にしようとした。中でも、ロバート・ウィルケは個性的な一台のフェラーリをオーダーしたのであった。

ウィルケはインディアナポリスチームのスポンサーを1930年代から始め、この世を去る1970年まで続けていた。ウィルケファミリーはエンツォ・フェラーリとも友人関係にあり数々のフェラーリをカスタムで製造し、その全てにユニークなカラーリングを施していた。ただ保管するだけではなく、すべてのフェラーリを日常的に走らせていたという。

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ウィルケが所有していたフェラーリの中でも、象徴となる1台がこの375 MMである。トラック走行も可能なパワーを備える375 MMは9台製造されだが、ピニン・ファリーナではなく、ギアによってボディワークが手掛けられたのは1台のみ。ユニークなツートーンカラーが特徴的だ。



1955年、トリノ・モーターショーのギアスタンドにて展示され、1か月後にルイージ・キネッティを通じてロバート・ウィルケのもとへと渡った。この時、ウィルケは一風変わっているフェラーリを既に3台所有していたそうだ。ロバート・ウィルケは一度手にしたらずっと所有するというスタイルを基本としていて、この1台においても同様であった。彼は1万2000km程度しか走らせず、シートベルトを除いてオリジナルを保っていた。



1974年にロバートの息子であるラルフが受け継ぎ、その後は売りに出され複数のオーナーのもとへと渡った。1990年のレトロモビルやカリフォルニアで開催されたコンコルソ・フェラーリにも姿を現していた。

様々なオーナーのもとで保管されてきた中で、ボディカラーがギアオリジナルのものと変えられてしまっていた。しかし、数年前にこのツートーンカラーへとリペイントされたとのこと。この色を持つフェラーリこそ、ロバート・ウィルケが愛した1台であったのだ。現在、オドメーターは1万3366キロを指しており、ウィルケが手離してから1000km程度しか走行していないことになる。



フェラーリクラシケ認証済で、コンクールデレガンスやフェラーリクラブのイベントに参加するにはうってつけの1台である。はじめて公に登場した際も、多くの注目を集めたが、今でもその魅力は決して衰えていない。

この375 MMは、8月に開催されるRMサザビーズのオークションに出展予定。

オクタン日本版編集部

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