旧いクルマと上手に付き合うお手伝いを 部品と共に知識も託すパーツサプライヤー

2CVの入手困難なパーツを多数在庫する専門性の高いパーツショップ。翌日配送の迅速なデリバリーを心掛け、全国のメカニックからの信頼も厚い。

2019年で24周年を迎える2CVパーツショップ「DAC HOUSE」は、主に2CVをはじめとした新旧あらゆるフランス車のパーツを取り扱う希少なショップ。しかしオーナーの米谷友宏氏は、元々は旧いBMWをレストアするお店で勉強をして、部品調達に困るお客さんの声をキッカケに独立開業したという。

「趣味で海外へ行った時に、日本では入手できなかった部品を買ってきて、業者さんに卸していたのが、いつの間にか商売になっていたような感じなんですけどね。商社に勤めていた頃、海外にコネクションもできていたので、欧州のクラシックカーやレストアに対する思いや文化を聞くうちに、これは面白いなぁと思いまして」


 
1990年代からヨーロッパでクラシックカーの歴史、文化、経営を学んできた米谷氏は、その時代背景や部品流通についても造詣が深い。「様々な国を走っていて、乗れば乗るほど、触れば触るほどハマっていく2CVの魅力に気付き、ヨーロッパで独自の文化を楽しんでいる2CVオーナーを垣間見たことで、日本でも特化したパーツショップにしようと思いました。そして、オランダへ行った時にふと見つけた小さな記事を頼りに、専門性の高いシトロモビルへ通うようになりました。かれこれ20回以上は行ってますが、この数年で来ている人もイベントの様子もかなり変わってきましたね」

最近は純正部品の生産が止まったパーツでも格安なアフターパーツが売られているが、品質や値段のバランスで最良の物を選ぶというのは素人には難しい。そういった時に、長年の知識やノウハウ、目利きといった部分が頼りになる。米谷氏は、そういった面でクラシックカーを維持するオーナーの役に立てたらと考えているそうだ。



「うちで長年正規代理店として扱っている123ignitionという商品はその典型ですね。実際に、2CVが海底トンネルで立ち往生して困った人の話を聞いたIT機器メーカーの社長が、自分の娘が通学で乗っているディアーヌがそんなことになっては大変だということで、生み出したモノなんです」
 
知る人ぞ知る名作パーツ・123ignitionは、ノーマルのディストリビューターと付け替えるだけで、機械式点火を進化させる画期的システム。見た目はアナログながら、内部には進角などをプログラムしたコンピューターが仕込まれており、ポイントレスで安定したバランスの良い点火を実現する優れモノなのだ。



「オルタネーターへの負荷も減り、走りがスムーズで力強くなるのを体感できると思います。これからもこの123 ignitionのように、車種やメーカーなどの垣根を越えて、旧車乗りが求めるパーツを手掛けられるよう、海外の情報に対しては常にアンテナを張っていきます」
 
本当に旧い良いものを大切にしていきたい。そんなクラシックカー文化を日本にも根付かせるため、米谷氏は単なるパーツサプライヤーではなく、レストアカルチャーの伝道師として、今日も情報発信を続けている。

文:谷津正行 写真:佐藤亮太 Words:Masayuki TANITSU Photography:Ryota SATO

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