世界中から1万台のシトロエンがフランスに!│100周年記念イベントを現地レポート

Photography: Tomonari SAKURAI

第一次世界大戦で財をなしたアンドレ・シトロエンによって誕生した自動車メーカーシトロエン。今年で100周年を迎えた。ルノー、プジョー共に19世紀に誕生したことを考えると後発のメーカーとなる。その分早くからFF車に取り組んだり、独自のサスペンション、ハイドロニューマチックなど当時から最先端をいっていて、今なお多くのファンを持つ。

2019年7月19日から3日間、ラ・フェルテ=ヴィダム(LaFerté-Vidame)でシトロエン100周年を記念するイベントが行われた。フランスをはじめ世界各地で100周年記念イベントが開催されているが、これはシトロエンが主催する正当なイベントである。フランス国内からはもちろんのこと、ベルギーやドイツ、イタリアなどお隣の国から、はたまたチェコやロシアなど遠くからの参加もあり、その台数は1万台を超えた。各車種を年代毎に駐車したスペースそのものが広大な展示場となっているのだ。
 
このラ・フェルテ=ヴィダムはパリから100kmちょっと西に行ったノルマンディ地方のちょっと手前に位置する14世紀に建てられたお城だ。と言うよりも、城跡といった方がいい。フランス革命で破壊されたままの状態なのだ。なぜ、そんなお城が会場になったのか?それはこの城の持ち主がシトロエンだからだ。


ラ・フェルテ=ヴィダムの一般入り口。世紀の大イベントにしては落ち着いたもの。それでもこの先にはシトロエン100年の歴史が待っているのだ。

1938年、当時の親会社であるミシュランがシトロエンのためにこの城を買い取り、敷地に自動車開発のためのテストコースを併設させた。そのコースはCentre d’essai Citroënとして現在でもPSAグループのテストコースとして使用されている。812ヘクタールという広大な敷地はフランスの私有地として最大であり周囲の壁は12kmに及ぶ。年間でのべ400万kmの走行テストを110名のスタッフで行っている。コースは全長32km。その一部を走行するシトロエンに同乗する企画に参加した。

文:櫻井朋成 Words: Tomonari SAKURAI

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