まるで宝探し?家中に散らばった90年前のベントレーを組み立てる!

Photography: Gerard Brown

世紀の大発見と言われたフランスのバーンファインドでは、アラン・ドロンが所有していたフェラーリ 250GT SWB カリフォルニア スパイダーなどが見つかった。そして、ここあるのはバーンファインドされた1928年 ベントレー 4.5リッターだ。ビクター・ブルームが手がけたドロップヘッドのスタイリングを持っている。

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同モデルは8台製造され、現存しているのはこの1台のみだと推測される。アールデコの2シーターボディのリアにはフォールディングタイプのシートが隠されていて、10フィート、10インチの大きさ。そして、信じようが信じまいが、すべてオリジナルであると言われていて、しかもちゃんと走る。どこで見つかったのか?ボルネオ?実際は、ロンドンのベントレーエンスージアストのもとで50年以上眠っていたのだ。



なぜこれまでの間、全く外に出されることもなく、オリジナルを保っているのだろうか?コレクターであるウィリアム・メドカルフがそのストーリーを手ほどく。そこには、単に“バーンファインド”というには相応しくないほどの複雑な物語があった。ウィリアムが話すにはこのような始まりだ。

「数年前にある女性から電話が来て、彼女の父が亡くなったと電話があったんだ。それはこういう内容だった。"いくつか古い車があって、その中にはベントレーもある。家も車も売りたいのだけれど、ビンテージ ベントレーであるはずの1台がバラバラになっていてちゃんと認識できない" 急いで車に乗り込んで、キューガーデンへ向かった。家の中に入ると、確かにボロボロの床にはベントレーのシリンダーブロックが落ちていた。さらに周りを見ると、階段にはクラッチ、コンロッド、というようにそこら中に転がっていんだ」



1962年、学生であったスチュアート・ワラスはおもしろみのある車を求めていて、このベントレーを買った。驚くことに当時はミニを購入するよりよっぽど安かったそうだ。とはいえ、この4.5リッターを維持することはワラスにとって簡単ではなかった。そして、彼が行き着いたのが自分でレストアする、というところだったのだ。 バラバラにしたパーツはガレージでなく家の中で保管し、全ての写真を撮り記録していた。小さなものはジャムの瓶や缶など色々な物に入れていた。しかし、どれほどのパーツが残っているのだろうか?キャブレターや他のアレコレはどこに?

Words: Robert Coucher 訳:オクタン日本版編集部

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