鬼才が手がけた500台限定 1億5000万円のアストンマーティン│日本での注文は?

Greg Williams Photography

2019年7月22日、アストンマーティンが東京で披露したのはコードネームAM-RB 003で開発が進められているハイパフォーマンスカーだ。これはヴァルカン、ヴァルキリーに続く3台目のハイパーモデルで、古代北欧神話からヴァルハラ(VALHALLA)という車名が与えられた。ちなみにVALHARAは勇敢な戦士を招く大広間という意味だ。

ヴァルハラはヴァルキリー同様、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズとの共同開発車であり、500台の限定生産となる。このヴァルハラも、空力の鬼才と呼ばれるエイドリアン・ニューウェイによるデザインであるが、ナンバーを付けて公道を走行することを前提としており、より実用性に重点が置かれて開発されている点が新しい。ヴァルキリーとの最大の相違点は、ずばりコックピットの大きさ。利便性と快適性を向上させるために、ヴァルハラのドアはル・マンのLMP1スタイルのように前方へ高く開く。ルーフ・セクションもドアと連動して上昇するため、乗り降りがとても容易になっている。ミラーもカメラ方式となっておりエクステリアで視界を邪魔するものはほとんどない。



ユニークな装備としてヴァルハラは、翼全体を滑らかに変形させる次世代航空機のモーフィング・テクノロジーを応用している。このFlexFoil™と呼ばれる技術はNASAによって検証されており、アストンマーティンは自動車業界でこの最先端航空宇宙技術を初めて採用するメーカーとなる。この技術が用いられたリアウイングは、エレメント自体の物理的な角度を変えずにダウンフォースを変化させることを可能にし、効率の向上と風切り音の少ないシームレスなデザインを実現。乱流や、それに伴う空気抵抗の増加を事実上排除するという。

オーナーのためのコックピットは、視覚的な複雑さを徹底的に排除し、運転に集中できるデザインとした。大胆なのはシートの前後スライドを廃し固定化したことだ。これはAPEXエルゴノミクスと呼ばれ、ドライバーの重心位置を固めることで重心位置を固定。逆にステアリングホイールやペダルを移動させることで、理想の前後重量配分を実現している。ステアリングコラムのディスプレイは、ステアリングホイールのリムによって視認性を妨げられることのない位置に配される。またインフォテインメントシステムのモニターは、効率と機能性、柔軟性を大切にし、オーナー自身のスマートフォンを利用する“Bring-Your-Own Technology(BYOT)”という考え方を採用した。



ダウンフォースは正しくアナウンスされていないが、ヴァルハラはこられの画期的な技術により、圧倒的な数値をたたき出すことは間違いない。フロントスポイラー下部はフォーミュラのように大きくえぐられ、リアのディヒューザーもごっそりと空洞化されており、正にレーシングテクノロジーの塊といった様相である。



さて、パワーユニットだ。F1で現在絶好調のレッドブルだが、ヴァルハラの開発においては、F1の最新技術もフィードバックされるという。パワートレインはアストンマーティン製V6ターボエンジンにハイブリッドシステムが組み合わされており、最終的に1,000bhpの最高出力を目標としている。そのパワーは、同じくF1からフィードバックされた8段デュアルクラッチ・トランスミッションを介して路面に伝えられる。またこの新しいパワーユニットには、Nexcelシーリング・オイル・システムという新しい装備が備わっている。オイルカートリッジはわずか90秒以内に交換することが可能で、交換されたオイルはその後精製されて再利用される。すでにその真価はニュルブルクリンク24時間キャンペーンで実証済みである。



価格は1億5,000万円程度。500台の限定車のうち、日本からの注文は15台程度と予想される。また、ヴァルハラは次の007でボンドカーとして登場することも決定している。

オクタン日本版編集部

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