ハンガリーで開催される本格的なクラシック・レース│現地の様子をレポート!

Photography:Tomonari SAKURAI

F1第12戦ハンガロリンクが開催される3週間前に、ピーター・オート主催のハンガロリンク・クラシックが開催された。ハンガロリンクは1986年、東欧では初めてとなるF1を開催している。そして2017年、これも東欧で初めてである本格的なクラシック・レースを開催した。

ピーター・オートのクラシック・レースは50〜60年代のマシンから1980年代〜90年代初頭のグループCカーによるレースが各カテゴリーによって争われる。スペインのムンジュイック・サーキットやベルギーのSPA、イタリアのモンツァなどで年間を通して争われるシリーズ戦だ。2年毎のルマンクラシックもそのうちの一戦だ。昨年はサーキット内の改装のため開催されず今回が2回目。2019年第4戦となるフンガロリンク・クラシックだ。

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GT2クラスのポルシェ934

最もスピードが速いレースとなると年代も90年代初頭まで参加可能なプロトタイプカーの最高峰グループCだ。年代的にも、リアルタイムで見た記憶がある来場者も多く期待度は高い。なんと言ってもエンジンでは当時のF1と同じモノが使用されているマシンもある。ハンガロリンクでの参加車両はちょっと寂しいモノのその迫力には変わりない。金曜、土曜と時折激しい雨が降る場面もあったが、そのなかで水しぶきを上げながら駆け抜けていく姿は圧巻だ。ピットに戻ったCカーたちはメカニックによってシャシーに入り込んだ水を掻き出しているのが何とも印象的だった。

金曜の練習走行では金曜、土曜と雨が降ったりやんだりの中プラクティスと予選が行われた。ぐりっと5列目からスタートしたポルシェ917が優勝。

Classic Endurance Racing1にエントリーしているガルフカラーのポルシェ917は同カテゴリーで910や908/3そして911RSRなどとも走る。このクラスで常勝で多数派のLOLAやCHEVRONをくだし、決勝では優勝を勝ち取った。

2時間の耐久レースとなる決勝のSIXTIE’S Enduranceに参加していた、ナローポルシェのゼッケンがちょっとおかしい。きちんと白丸に収まった二桁の数字の前にとってつけたような”1”。これで3桁のゼッケンとなっている。エントリー表を確認すると、なるほどこのポルシェは2.0L CUPにもエントリーしていたのだ。こっちに出るときは2桁で、耐久レースのときは3桁のゼッケンとなるようだ。それにはドイツのナンバープレートがついており、ここまで自走。そして2つのカテゴリーを楽しんだ後、また自走して帰る。このピーターオートの偉大なる草レース感がしみじみ伝わる思いがした。

2時間の耐久レースを挑戦してドイツから自走で参加するポルシェ911。それと併せて2.0L CUPも参加している。とことん楽しんでいる!

ハンガロリンククラシックの開催1か月以上前からブダペスト、そしてその近郊まで大きなポスターが貼られた。街一色ハンガロリンクといっても過言でないくらいの宣伝展開から、如何に力を入れているのかが伝わってくる。ル・マンクラシックの前にも、パリではポスターが展開されるがその日ではない。その成果もあってか2年前の第1回をしのぐ来場者の数。参加したドライバーたちからも、"ハンガロリンクはコーナーが複雑で、クラシックレースとしてとても相性のいいサーキットである"と評価も高い。

雨は上がったが路面はウェットコンディション。スタートを待つTheGreatest’s Trophyに参加するポルシェ904とALFA ROMEO Giulia TZ。

益々盛り上がるハンガロリンククラシックから、レースの様子をお伝えした。次回はこのハンガリーで、ヴィンテージカーを愛する男の半生をお伝えしてみようと思う。

文:櫻井朋成 words: Tomonari SAKURAI

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