ジャガーの歴史に残るデザイナーが語るXJ6の素晴らしさとは?後編

Photography:Paul Harmer

「これは一般的な見解ではないけど、私はとても上手くいくと思ったんだ。それはかなりハンサムで時代に良く合った車だった。ジウジアーロの折り紙スタイルや、それに似たものの時代で、とてもシンプルで、フラットなサーフェスがとても流行っていた。ピークの頃には、年間4万台も販売されていたのを思い出してみてくれ」と語るのは20年にも渡り、ジャガーデザインチーフを務めたイアン・カラムだ。

伝統主義者のXJ40に対する反応で最も悲しかったことは、ジェフ・ローソンの次世代XJである1995年のX300へ与えたレトロなデザインであった。「昔のスタイルに戻らないといけなかったのは残念だったけど、とても賢い選択だった」とカラムは言う。「これは、XJ40の車高を低くして、リアを短くした様な車だけど、全体的に見たらとても美しい車だよ。XJ40の酷評後、ジェフはXJにはフォームと曲線美が必要だと感じたんだ。彼らは全てのフロントエンドパネルを変えたけど、それらを外したらお互いに取り替えができるんじゃないかと思うよ。実際それは私のお気に入りで、特にX308やRバージョンはいいね。ジェフと彼のチームは、幾何学的なものではなく、明らかにこの彫刻の様なかたちに魅了されていたんだ」

63歳だったカラムは、2003年に発表されたX350が気に入らなかった。彼の任期の時にそれは発表されたが、すぐに距離を置いた。「僕が1999年にジャガーに入った時に、そこにはそのクレーモデルがあった。彼らはそれが新しいモデルだと言った。それを見て『これが?』と思ったんだ」

チーフエンジニアに向かって僕はこう言った。「どうして一番美しいものを取ってしまったんですか?」と。彼は「それは何のことだい?」と言った。「プロポーションです」と答えた。「彼らが顧客の所に行き、どういうものが欲しいか聞いたら、殆どの人がスペースが必要だと答えた」と言った。形やデザインはそのまま残し、車高を高くした。

「模倣時代への転換期だったが、ジャガーはその頃フォード傘下だった。なので、車の設計をしていた人たちはみんな、ヘッドルームはこのくらい、レッグルームはこれくらい必要と言って車を作り上げていった。最近起きているのは、細かい計算をする人がいて車をセットアップし、デザイナーがなんとかそれを収められる様にしながら、その車の精神も失わない様にする、ってことなんだ」

「Sタイプも同じで、アメリカ人たちには"ジャガーはこういう見た目であるべき"というイメージがあった。でも、そのイメージは間違った場所からの影響だった。だから私は、『申し訳ないんだが、あなたたちはジャガーがどうあるべきか分かってません』と言った。すると彼らは『でも、ジャガーの特徴をあれこれ全部持っているじゃないか』と言った」

「ジャガーは、部分的な特徴じゃなく、もっと大きなものなんだ。S1以前の車を全部見ると、それぞれ違っているけど、本質的な特徴は同じなんだよ。ライオンズは、少し誇張することをしていたけれど、全ての車に共通する特徴があった。Mk10は最も幅が広くて、最も低いキャビン、EタイプとSS1は最も長いボンネット、彼はとても上手くこれらのことをやってのけた。S1 XJは最も大きなホイールを備えていた」

オクタン日本版編集部

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