シチズン独自の素材「スーパーチタニウム™」を 月着陸船と月探査車に活用

シチズンと株式会社 ispaceは、世界初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナー契約を締結した。シチズンは、「HAKUTO-R」で使用されるランダー(月着陸船)とローバー(月面探査ローバー)の開発において、腕時計のためにシチズンが独自に開発した素材「スーパーチタニウムTM」を提供することで、月面探査ミッションに貢献していく。

「スーパーチタニウム™」は、軽く、美しく、キズがつきにくく、さびにくいという特徴を持つ腕時計のためのシチズン独自の素材。1970年に、シチズンが世界初のチタニウムケースの腕時計を発売して以来、約半世紀もの間培ってきた、チタニウムを精密に加工する技術と、素材の表面に非常に薄く、硬く、耐摩耗性に優れた膜を形成する表面硬化技術「デュラテクト」により、「スーパーチタニウム™」は、チタニウム本来の特性である軽さはそのままに、純チタニウムの6倍以上の表面硬度を実現してる。

「HAKUTO-R」では、ランダー、およびローバーにおいて、軽量化と強度の観点から、チタニウム製の部品を各所に採用する予定であり、シチズンの「スーパーチタニウム™」を採用することで、ランダーとローバーの信頼性と耐環境性の向上を目指します。今後の検証によって、実際に使用する部位、膜厚やコーティング作業などの検討を行い、「スーパーチタニウム™」の実装に向けて両社のエンジニアが開発を進めていくことで、他分野の製造技術を活用した新たな宇宙開発に挑んでいくとのこと。

株式会社ispace ファウンダー&CEO 袴田武史は、「宇宙で使われている技術は、昔から変わらず使われ続けている技術が意外と多いのです。地上で生み出された技術が、一見宇宙と関係なさそうに見えても、宇宙開発に大きなイノベーションを起こす可能性は高いと考えています。チタン製腕時計の表面処理技術という特殊な技術が、実は宇宙における課題解決につながります。私たちは積極的に地上の技術を活用し、パートナー企業様と一緒に宇宙開発の新たな形に挑戦していきます」とコメントした。

オクタン日本版編集部

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