ルクレール、亡き友に捧げるF1初勝利

Ferrari

2019年F1第13戦ベルギーグランプリで、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが初優勝を遂げた。今シーズンからフェラーリに移籍したルクレールはすぐに頭角をあらわし、何度も表彰台争いに加わっていたが、優勝を獲得することはできなかった。

サマーホリデー明けのベルギーグランプリでは、フェラーリはプラクティスから好調で、土曜日の予選もルクレールが1位、ベッテルが2位とフロントローを独占。フェラーリは今シーズン初の勝利となるか、翌日の決勝レースに向け期待が高まっていた。


そんな土曜の午後に同じくスパ・フランコルシャンで行われたF2で、大事故が起きる。オールージュを抜けた先の直線でBWTアーデンのアントワーヌ・ユベールとファン-マヌエル・コレア(ザウバー・ジュニアチーム)のマシンが大破、レースはそのまま赤旗終了となり、病院へ運ばれたユベールは22歳の若さでこの世を去ったのである。

その死を悼み、翌日に開催されたF1決勝には、全員が喪章を付けて参加。レース前には黙祷が捧げられた。

なかでもルクレールは、F1に昇格する前からずっとユベールと共にレースを戦ってきた。いわば親友、戦友ともいえる存在だろう。この日の決勝でルクレールは、終盤のハミルトン(メルセデス)の猛追にも耐え、冷静にレースをマネジメントし、ポール・トゥ・ウィンで初優勝を遂げたのだ。



フィニッシュ後は、100%の喜びを表すというよりも、溢れ出す万感の思いをじっくりと噛みしめるように、ゆっくりとマシンを降り、天に向かって人差し指を挙げた。その姿は天に召された亡き友に勝利を報告しているかのようだった。近寄ったTVクルーにも、自分ではなくマシンを映してほしいというジェスチャーをした。

そこに映し出されたのは、マシンに貼られた「Racing for Anthonie」の文字。インタビューでも「子どもの頃からの夢が叶ったけれど、一方で昨日からの週末はとても厳しかった。僕たちは友人を失った。僕の初勝利は彼に捧げたいと思う。僕たちは一緒に成長してきた。初めてのレースのときにはアントワーヌとエステバン(オコン)、ピエール(ガスリー)が一緒だったんだ」「昨日の出来事は本当に残念だ。初勝利を心から楽しむことは難しいけれど、永遠に心に刻まれる思い出になった」と語ったように、相当な思いを胸にこの日の決勝レースに臨んだのだろう。


表彰台でもシャンパンファイトは行われず乾杯(この場合は献杯というべきか)のみ、この日のすべてはユベールに捧げられた。21歳のルクレールには、同世代の亡きユベールの分までこの先活躍してもらいたいと願う。

オクタン日本版編集部

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