ベントレーの"新たな世紀"を予感させるEXP100 GT 2035年のグランドツアラー

Bentley motors

「100周年というタイミングで再構築するラグジュアリーとモビリティ、そして"ベントレー自身"を具現化したもの」というベントレーの未来を予感させるGTコンセプトカーが登場した。電動化や自動運転技術に加え、伝統と最新の素材を組み合わせることで光沢さえもラグジュアリーの要素としている。

1919年、ベントレー モーターズはウォルター・オーウェン・ベントレーによってロンドンのクリックルウッドに設立された。

設立まもないベントレーがクリックルウッドに本社と工場を構えていたのはわずかに12年間のことであるが、それは現在にまで続くベントレーのブランド哲学を構築するには十分な時間であったともいえる。エクスクルーシブでスポーティー、そしてもちろんクラス最高の車を生み出すことがW.O.による企業哲学であり、それを証明するかのようにベントレーは積極的にモータースポーツの世界へ参入した。ここでとりわけ注目されたのは、グランプリ・プジョーやグランプリ・メルセデスを参考に、アルミニウム製ピストンやクランクケースを用いた独自の3リッターエンジンである。

これは現在にまで続く「EXP」、すなわちエクスペリメンタル・プロトタイプの称号を掲げたエンジンであり、EXP1 、EXP2 、そして後にW.O.自身の愛車となるEXP3 の試作車を経て、1921年からこの3リッター直列4 気筒エンジンを搭載したモデルは正式なプロダクトとして製造を開始することになる。

ベントレーはその後、1924年から30年までル・マン24時間レースで5回の優勝を飾り、高性能なスポーツカー、そしてグランドツアラーとして富裕層から高く支持されるようになる。1世紀にわたるその歴史の中には、さまざまな紆余曲折があったこともファンの間では広く知られているが、ともあれ現在ではVWグループとして、最新の設備とともに熟練したクラフトマンがその手腕を奮うクルーの本社工場から、魅力的なモデルが世界中の市場へと投じられているのは周知のとおりである。

そのベントレーが、同社の100周年を祝福するプログラムのひとつとして、ニューモデルを世界初公開するために限られたメディアを世界からクルー本社に招いたのは、ベントレーの正式な誕生日という7月10日の前日、9日のことだった。

まずは長い時間をかけて本社工場を見学することが許されたが、印象的だったのはやはりプレミアムSUV 、ベンテイガの生産ラインの大きさだった。一方自社工場ですべて製造をする"オール・クルー"をセールストークとするミュルザンヌのラインは、コンパクトではあるが手作業の行程がまだまだ数多く残り、クラフツマンシップがより強く感じられた。

工場見学を終えると、メインイベントとなるニューモデル発表の会場へと車で向かう。「EXP100 GT 」というネーミングは事前に知らされていたから、それが伝統のベントレーによるエクスペリメンタル・プロトタイプであり、100周年というタイミングで何かを主張するためのGT=グランドツーリングであることは想像できたのだが、事前情報はほとんど得られていない状況だった。いったいこれから我々は、どのようなサプライズを体験するというのか。

文:山崎元裕 写真:ベントレー モーターズ Words:Motohiro YAMAZAKI Images:Bentley Motors

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