ベントレーの象徴 『フライングB』のヒストリー│左右で羽の数が違う理由とは?

Bentley motors

ベントレーを象徴する「フライングB」マスコットは、古くから世界中でベントレーの象徴と見なされてきた。ベントレーが送り出す世界で最も進化した4ドアグランドツアラーの新型フライングスパーには、新デザインの「フライングB」マスコットが飾られている。
 
直立するフライングBは、約90年前、1930年 8リッターモデルに初めて採用されたもの。当時、マスコットは標準装備ではなかったが、5ギニーもの大金を投じることでオプションとして装着することができた。しかし、あまり人気を得られず、ベントレーは一時エンブレムを廃止することさえ考えたという。
 
オリジナルのマスコットは、ちょうど100年前の1919年、ベントレー・モーターズが設立された際に、フラットなウイングBバッジを補完するものとして創業者W.O.ベントレー自身が英国人アーティストのF.ゴードン・クロスビーへ委託したものであった。
 
ベントレー創業100周年に際し、マスコットは次の世紀を見据えてスタイルが変更され、従来のデザインから進化を遂げた。新型フライングスパーでは電子制御照明付きとなり、ドライバーが車に近づくと一連のウェルカム照明が作動し、キーレスエントリーシステムが連動する。


 
現代のフライングスパーに初採用されるのは最新の進化版であるが、その基となるオリジナルのフライングBはチャールズ・サイクスがデザインした、車のどちら側からも同じように見えるウイング付きの「B」であった。最終的にほとんどのモデルで標準装備されることとなるが、多くのベントレーはオーナー自身が作成した独自のマスコットを装着していた。
 
このバッジは左右対称に見えるが、2つの翼はそれぞれの羽根の数が異なっていた。この単純な違いは、ブランドのロゴマークを真似しようとした人を欺くためのものであったそうだ。


 
クロスビーは、その人生のほとんどをAutocar誌に捧げたが、独学でイラストレーターとなった彼は、水彩画でロードレースとトラックレースを描くという独自のスタイルで注目された。華やかなキャラクターを持つ彼は、当時、おそらく英国で最も先進的な自動車アーティストであった。
 
フラットなウイングバッジは、過去100年の中で何度か色付きで登場している。最初は赤、次に緑、青、黒の順。フラットウイングBのロゴは、今日でも卓越性の証として尊重されている。

オクタン日本版編集部

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