エルトン・ジョンが所有していたベントレーが日本に存在する!後継者を探し中?

Photography:Kazumi OGATA , Octane Japan

クラシックカーにとって、車の状態や性能と同じくらいに大切なものがヒストリーである。誰がどのように大切にしてきたか。そのオーナーが真の車好きな著名人なら尚良い。エルトン・ジョンの乗ったベントレーが今、日本で次のオーナーを待っている....。世界的ミュージシャンのエルトン・ジョン( Sir Elton Hercules John )が、趣味として自動車を楽しんでいることは有名な話である。彼は今までにあらゆる車を乗り継いできており、ベントレーもお気に入りの車のひとつだという。
 
ここに見られるS3は、2001年4月にロンドン・クリスティーズオークションで開催された、エルトン・ジョン・コレクション・オークションに出品されたうちの1台である。他には、ベントレーS1 コンチネンタルファストバック、S2コンチネンタルフライングスパー、S3フィックスドヘッドクーペ、ターボR400、コーニッシュコンバーチブルなどもあり、話題を集めた。


エンジンフードが低く抑えられていて、つり目のヘッドライトと共にスポーティな印象を与えてくれる。サイドのモールはエルトン・ジョンの好みで装着された、このS3のみのめずらしいアイコンだ。
 
このベントレーS3コンチネンタル ドロップヘッド クーペは、1964年4月にメイデンヘッドに位置するR.S. Mead Ltdに新車でデリバリーされた。調べていくと、新車時のオリジナルカラーはボディがサンドゴールド、インテリアはバーガンディレッドだったようだ。その後、1967年以降にジャックバークレーを通して、ロンドンのジョージ・ヘンシャーLtd,に渡る。
 
1976年、ロンドンのディーラーからエルトン・ジョンがこのS3を購入。まだそのときはオリジナルのままで、何も手は加えられていなかった。1980年代、エルトン・ジョンはパリにも家があり、パリまでドライブをすることもあった。しかしロンドン-パリの長距離をドライブするうちに、この車が普段使いに不向きなことが露呈する。エルトンはこのS3をより快適にするため、レストアや改造を施すことを決めた。結果としてこの車は、ウェイブリッヂ・オートモビルでレストアされた最初の車となったのだ。


メッキを好まなかったエルトン・ジョンは、ハンドル中央のホーンボタンをブラックに変更。
 
ボディカラーの選択について、エルトンはホワイトカラーにペイントすることを望んでいたが、現在の姿であるメタリックブルーを周囲から勧められ、このカラーにすることを決断したという。同時にインテリアはマグノリアハイドに、またフードはマグノリアカラーの自動開閉式に変更された。パワーウインドウも装着された。
 
エルトン・ジョンはこの車を"チャイニーズ ランタン"と呼び、コレクションとして大切にしていたらしい。オークションに出品した中でも特に気に入っていた車であり、"正しいクラシックカー"と表現していた。
 

シャシーやエンジンナンバー記されたクリスティーズの出品票にはエルトン・ジョンのサインが。

現在、この車は東京に住む、とある愛好家が所有しているが次世代に継承してくれるひとを探しているところだという。機関系はまったく問題はないものの、シートには経年のヤレが見られる。しかし、「これこそ、エルトン・ジョンが楽しんだ状態」と、そのまま大事にしている。

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文:オクタン日本版 写真:尾形和美、オクタン日本版 Words:Octane Japan 

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