「王女たちのラリー」は 明るく、お茶目で、過酷で、華やか。

Photography: Tomonari SAKURAI, Shiro HORIE


 
最終日は港町サントロペをぐるっと一周する、さながらサントロペ・グランプリのようなコースであった。毎日平均4回ほどのタイムアタックで、おおよその順位は見えてきている。最後まで激しく競うトップ陣、一方であくまでも楽しく和みながら景色を愛でる中位以下。それぞれが5日間のラリーを自分たちらしく締めくくろうとしているようだ。セレ・ルーボー修道院、ペナフォルト峡谷を通り、シャトー・ド・サン・マルタンで最後のランチを取る。そしてゴールは再びサントロペに戻る。
 
ゴールは街の中心にあるリーチェ公園。ポディウムでは主催者ヴィヴィアンとスタッフ全員が、5日間1600㎞を闘った参加車両を迎える。毎日のゴールで振舞われてきたツァリーヌのシャンパンも、最終日には一層味わい深いであろう。


最終日。サントロペでのゴール。参加者の中には途中でおしゃれな服装に着替えたり、思い切り大きな声で感動を表現したり、さまざまなパフォーマンスがみられた。 
 
ゴールでトロフィーを高く掲げて、底抜けに明るい笑顔を見せてくれる女性たちを見ているうちに、毎年彼女たちをこのラリーに駆り立てるものは、たぶん豪華な食事やホテルではなく、1600㎞を走り切った後の達成感に他ならないことがよく理解できた。ちなみに、ワイナリーで開催された表彰式とパーティは明け方まで続いたことはもちろんである。


 
このイベントの主催である、ザニロリ・ファミリーは本当に素晴らしい。スタート&ゴールでフラッグを振るマダム・ヴィヴィアン・ザニロリ。彼女の包容力こそ、この特別なイベントが長く続いた原動力と言える。そして、このラリーを決して"お遊び"にしなかったのは夫であるパトリック・ザニロリの貢献。彼はダカールラリーを12年も統括してきた猛者であり、アマチュアとはいえいい加減なプロモートをすることなど考えるはずもなく、本格的なラリーを息子のトムと一緒に組み立ててきたのだ。
 
オクタンではラリー・デ・プランセス・リシャール・ミルの日本での開催を企画している。クラシックカーの世界に、さらに積極的な女性を迎えることで、豊かさを広めていきたいと考えているのだ。


参考:RALLYE DES PRINCESSES RICHARD MILLE 参加にかかる費用(2019年版)
□ 参加費 € 7,500に含まれるサービス(1台2名参加の場合)
・宿泊費 ツインルーム5泊(2019年6月2日~6日)
・オープニングカクテル、出発日のランチから到着日ガラディナーまでの2人分の食事
・スーツケースなど手荷物の移送
・Tripy GPS およびランキング
・ロードブック ・2枚の金属製ラリープレート
・プロスタッフによる写真およびビデオの制作
・燃料費
・車両トランスポート
(スタートまで、およびゴール以降)
・車両保険 ・キャンセル時の保険
・前夜祭時のパリでの宿泊費

□ 自己負担
 なお主催者は5 人のメカニックと2台の積載車両を用意しており、パーソナルアシスタンスを要求することが可能である。

文:堀江史朗(オクタン日本版編集部) 写真:櫻井朋成、堀江史朗 Words: Shiro HORIE (Octane Japan) Photography: Tomonari SAKURAI, Shiro HORIE

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