ファミリーカーとしてのポルシェが歩んできた歴史とは?

Porsche AG

ポルシェは、現代ではカイエンやパナメーラなど4シーターのモデルを多く送り出しているが、"4シーターのスポーツカーを生み出す"というそもそものビジョンはずっと昔まで遡るのだ。その歴史を辿ってみよう。

356 Type530


この356は他とは違う。大きなドアを持ち、延長されたホイールベース、少し膨らんだリアを持っている。530は2ドアであったが、4ドアへのプロジェクトは進められていた。フェルディナンド・フェリーは、"スポーツカーはファミリーカーでもあるべきだ"という想いを抱いていた。スポーティに毎日使える車を求めていたのだ。彼自身が26歳の時に家庭を持ち、4シーターカー開発が本格的に進められたのであった。


Type 754 T7

その後、フェリー・ポルシェの息子であるフェルディナンド・アレキサンダーによってType 754 T7が開発され、ポルシェを代表するといっても決して過言ではない911シリーズへとつながっていったのだ。室内空間を広げるため、T8とT9の開発が並行して進められた。フェリー・ポルシェは1961年のT8を市販モデルとして認め、後に911が誕生することになる。


928 S

911が誕生してから10年以上が経過している1977年には、928が登場。1984年、より快適に過ごせる928を求め、2ドア4シーターのサルーンを生み出した。そして、それは同年フェリー・ポルシェの誕生日にプレゼントとして贈られた。しかし、サルーンが市販化されることはなかった。


989

ポルシェの新たな4ドアカーへの取り組みとして、3.6リッター V8エンジンをリアに搭載し300psを発揮する989を生み出した。4ドアのポルシェを語るにおいて外すことのできないモデルである。すべてが完璧に思えたが、環境問題の影響を受け工場が閉鎖されることに。そして1993年に、ボクスターへの開発に尽力することとなったのだ。

1990年終盤には、さらに4シーターカーへの理念が変わりカイエンの発表、パナメーラの発表へと続いていった。ポルシェはいつの時代でも、ファミリーカーとしてのスポーツカーを信じ続けていた。その想いは、ポルシェ初のEV「タイカン」にも受け継がれている。

オクタン日本版編集部

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