クラシックカー市場における不変の要素│乱高下の激しいフェラーリの変動

HAGI

どのメーカーより希少性を大きな特色とするのがフェラーリだ。HAGI(ヒストリック・オートモビール・グループ・インターナショナル)のフェラーリ指数(HAGI F)は、2018年2月に.03%という大きなマイナスを記録した。この下落幅はメーカー別指数の中でも最大で、収集価値のあるモデル全般の市場動向を示すHAGIトップ指数より大きかった。
 
ところが3月になるとフェラーリは3.69%も上昇し、前月の下落を大きく取り戻した。さらに後退した指数もあった中で、他のどの指数より大きな回復だ。2018年第1四半期はすべてのセクターが後退し、最大で8.32%下げた指数もあったが、フェラーリの下落幅は最小の1.36%だった。
 
長く続いてきた前年比成長が2018年2月末についに終わりを迎えた。これは市場が成長に転じた2010年以来初めてのことだ。全体に概ね同じ傾向で、1カ月後も状況は変わらなかったが、唯一の例外がフェラーリで、3月は対前年比が1.15%とわずかながらプラスだった。ほかはすべてマイナスで、対前年の下落幅は4.59%に達した。
 
こうした乱高下はフェラーリに特有のものだ。その理由のひとつとして、歴史的に収集価値の高いモデルのほとんどすべてが他のメーカーに比べて少数生産だったことが挙げられる。
 
3月には、フェラーリの認定を受けている走行距離の非常に少ないF40がヨーロッパとアメリカで相次いで高値を付けた。これが大きな貢献を果たしたのである。というのも、F40の時価総額がHAGI Fの中で占めるウエイトは16.3%と最も高いからだ。これに次ぐのが250GT SWBとディーノ246GTである。
 
もちろん各モデルが占めるウエイトは目まぐるしい価格変動によって変化する。しかし、少数生産ゆえのフェラーリのユニークな性格は、今後もクラシックカー市場における不変の要素であり続けるだろう。


HAGIフェラーリ指数は、収集価値のある主要フェラーリの価格変動を示したもの。縦軸は2008年12月31日を100とした指数。

オクタン日本版編集部

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