農夫にとって夢の1台?すべてが揃った豪勢なトラクター

Mecum auction

農村では、最新式の巨大トラクターが轟音を上げながら農道を行く姿は見慣れた光景かもしれない。だが、1938年のアメリカの田舎では、ウィンドスクリーンを付けることさえ男らしくないと考えられていた。
 
ところがその年、ミネアポリス・モーリーン社はUDLXコンフォートラクターを発売した。水をかけて洗うことができ、週末は町に繰り出すこともできる農業用トラクターだ。風雨をさえぎる完全なクローズドキャビンを備えるだけでなく、ボンネットや車のようなグリル、ヘッドライト、フロントとリアのフェンダー、クロームのフロントバンパーを装備。これで土曜の夜に地元のバーへ出掛けても、一見トラクターには見えないというわけだ。
 
車内の装備も豪勢だった。ヒーターにラジオ、ライター、計器類が揃い、バックミラーには時計まで付いている。まさに農夫の夢だ。
 
ところが実際は違った。トラクターにしてはスピードも出たが、恐ろしくうるさかった。また、3 枚のフロントウィンドウを開けても車内は熱くなり、サスペンションはなく、ブレーキもないに等しい。それに、質実剛健な農家の息子たちには派手すぎた。

また、700ドル少々でセダンが買えた時代に、1900ドルというとんでもない価格だった。フルレストアの済んだ1台がダベンポートで開催されたミカムのオークションに登場した。そのめずらしさからか、無事に新しいオーナーが見つかったようだ。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO( Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

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