タイヤを制するものがレースを制す?|SUPER GT×DTM特別交流戦、初開催

Photo: Octane Japan, DTM

何年にも渡り実施が検討されてきた、日本のSUPER GTとドイツツーリングカー選手権(以下、DTM)との特別交流戦がついに実現した。11月23〜24日の2日間、富士スピードウェイで開催されているこの特別交流戦は、ドイツから7台(アウディが4台、BMWが3台)が来日、SUPER GTからは15台のGT500マシンがエントリーし、同じ場で競うという「ドリームレース」である。

レギュレーションの違うふたつのレースの交流戦を行うには、どちらかのレギュレーションに合わせる必要がある。今回の交流戦実現にあたっては、スタートはSUPER GTに合わせたローリングスタート(DTMはスタンディングスタート)、DTMに合わせてレース中の給油やドライバー交代はなし、DTMの車両に搭載されているDRSとプッシュ・トゥ・パスは使用不可とされ、そしてタイヤはDTMに合わせたハンコックのワンメイク方式が採用された(SUPER GTはブリヂストン、ヨコハマ、ミシュラン、ダンロップの4メーカー)。

何より日本のSUPER GT勢が通常シーズンのレースと大きく勝手が異なるのがタイヤということになるだろう。10月5~6日に開催されたドイツ・ホッケンハイムでのDTM第9戦にレクサス、ニッサン、ホンダがゲスト参戦したが、グリップ力の低いタイヤの扱いに苦労し成績が振るわなかったことは記憶にあたらしい。


ましてやこの週末の富士スピードウェイの天候は雨。金曜日にはスーパーGTタイヤテストとフリープラクティスが行われたが、大雨のために挙動を乱し、クラッシュを起こした車両も何台か発生している。走行データを取ることもままならない中で、通常使用しないメーカーの、しかも雨天ならばウェットタイヤを履くことになるSUPET GT勢は圧倒的に不利だと考えるのは当然だ。特別交流戦ではDTMのレギュレーションに合わせて土曜と日曜にそれぞれ決勝レースが開催されるのだが、octane.jp編集部が取材した土曜日は朝から冷たい雨が降り、スタートが迫る午後には降ったり止んだりの難しいコンディション。スタート直前まで、ドライタイヤとウェットタイヤのどちらを使用するかの最終ジャッジを待っているチームも多かった。




スタート前にはハンコックのタイヤを扱い慣れたDTM勢にアドバンテージがあるのでは、とも言われていたが、いざスタートすると、そこは富士スピードウェイを知り尽くしたSUPER GTのマシンの独壇場ともいうべき様相に。 タイヤマネジメントにも慣れてきたドライバーたちの高速サーキットでの白熱したブレーキング勝負は、通常シーズンのSUPER GTよりも熱く、DTM勢がひるんで遠慮してしまったのではないかと思うほど。レクサス同士のサイドバイサイド、スリーワイド、フォーワイドのシーンも随所で見られるなど、通常とは異なるレギュレーションが導入されたことが刺激となったためか、いつもよりエキサイティングなレース展開を見ることができたように思う。


土曜日の決勝レースは、ポール・ポジションからスタートした37号車 KeePer TOM’S LC500ニック・キャシディが優勝、2位に塚越広大、3位に山本尚貴が入り、記念すべき第1回特別交流戦はSUPER GT勢が表彰台を独占する結果となった。


不利かもしれないと言われたタイヤマネジメントも習得した日本勢に対し、日曜日の決勝でドイツ勢はどんな戦略で挑んでくるのか。日独を代表するレースの「ガチバトル」、2日目も注目したい。

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