輝きの陰ったモントレーのクラシックカーオークション

RMサザビーズでは、LM仕様のマクラーレンF1が1980万ドルという新記録で落札された。だが、それをもってしても、今年のモントレー・カーウィークに漂う後退ムードは隠し切れなかった。落札率の低下、話題の高額落札の減少といった市場全体の流れが続いた形だ。ボナムス、RMサザビーズ、グッディング&カンパニーの売上は、いずれも2018年を下回った。クラシックカー保険会社、ハガティのまとめによると、全オークションハウスを合わせた総売上は2億4550万ドルで、昨年の3億7100万ドルから大きく減少した。
 
RMサザビーズは3日間で1億700万ドルを売り上げ、カーウィークに参加したオークション会社の中でトップだった。しかし落札率74%の裏には、推定額の下限を割る金額も多く受け入れたという事情がある。最大の例外は、映画『007/ゴールドフィンガー』仕様のアストンマーティンDB5だった。続編の『サンダーボール作戦』の宣伝用に造られ、"秘密兵器"も搭載する。その落札額は638万5000ドルに上った。



一方、最古のポルシェといわれるタイプ64は、最高1700万ドルの入札もあったが、進行中の手違いがあり落札には至らなかった。
 
グッティング&カンパニーは、総売上7682万4740ドルで上位に食い込んだ。落札率は77%で、2日間に高額落札がいくつも飛び出した。最高値は、1958年フェラーリ250 GT LWBカリフォルニア・スパイダーの990万5000ドル。特に注目を集めたのがニキ・ラウダのF1マシン、フェラーリ312Tだ。同種のものがオークションに出品されるのは初めてで、600万ドルで落札された。
 
ボナムスは217台という豊富なラインアップで、落札率76%、総売上3200万ドルだった。最高値は、極めてオリジナルな状態の1951年フェラーリ340アメリカ・ヴィニャーレ・クーペ・スペチアーレの363万5000ドル。アメリカ車のハイライトは1965年シェルビー427コブラで、138万ドルの値を付けた。一方で、高額落札が期待されながら新たなオーナーを見つけられない車が続出し、推定額の下限を割る比率も高かった。今年は取扱い数が昨年より大幅に増えた(135台から217台に)にもかかわらず、他の主要オークションハウス同様、総売上は昨年の3700万ドルに届かなかった。


 
ミカムは2日間で総売上3220万ドルを達成。トップは1967 年フェラーリ275 GTB/4 の275万ドルだった。大量に出品されたクラシック、ヴィンテージバイクも、高い関心を集めて売上に貢献した。
 
昨今の傾向を受け、すべてが下落傾向だった今年のモントレー。推定額が楽観的だったり最低落札額が高すぎたりするものも散見されたが、多くの車が落札されていたのもまた事実だ。買い手にとっては選り好みできる絶好の時期である。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo. ) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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