マセラティの歴史を体感できる日本最大級の1日 Maserati Japan EXPO 2019

Maserati

1914年にイタリアのボローニャにて誕生したマセラティは、今年105年目の歴史を迎えた。マセラティ ジャパンは設立以来最大級のイベントを大阪で開催。五感でマセラティを体感できる特別な1日が用意された。

そもそもマセラティは、7人兄弟の4男であるアルフィエリによって1914年にイソッタ・フラスキーニのサービス工場として創業した。カルロ、ビンド、アルフィエリ、マリオ、エットーレ、エネストのうち、アルフィエリとビンドとエットーレとエネストの4兄弟が自動車事業に関わったとされている。ちなみに、列記した名前は計6人だが、"最初"のアルフィエリは生後間もなく死亡し、4番目の子がその名前を継承したのだ。
 
今年で創業105年を迎えたマセラティだが、去る11月9日と10日に大阪市内で、マセラティ・ジャパン創設以来最大級となるイベント「Maserati Japan EXPO 2019」が開催された。これまでもマセラティ・ジャパンの主催によるイベントは何度も開催されてきたものの、そのほとんどはオーナー専用だった。今回は、オーナーはもちろんのこと、一般に向けてもオープンな催しであったのだ。イベントは、いわゆる前夜祭に相当する「マセラティ・ガラ・ディナー」でスタートした。

参加者のドレスコードは"ブラックタイ"。つまり男性はタキシード、女性はドレスに身を包み、日本にいるとは思えないような華麗で煌びやかな社交の場となった。そして迎えた翌日、大阪市内の湾岸エリアにある舞洲スポーツアイランドには現行モデルが444台、クラシックモデルが59台、計503台ものマセラティが参集した。会場は大きく分けて"EXPOパビリオン"" Maserati Approved Days2019""クラシック・マセラティ・ショーケース""マスター・マセラティ・ジャパン2019"の4つエリアから構成されていた。

 
左)マセラティ・ジャパンのグイド・ジョバネッリ社長(中央)。2016年から現職であり、日本におけるマセラティの展開の指揮を執る。修士課程では航空工学を学んだ。右)レヴァンテの2020モデルにおける特別仕様車もローンチされるなど、参加者には魅力的な企画が用意された。
 
EXPO パビリオンではMC12 とA6GCSが来場者を迎える。MC12は「マセラティ・コルセの12気筒」を意味し、フェラーリ・エンツォをベースにFIA国際GT選手権への参戦条件を満たすべく仕立てられたモデル。ロードゴーイング仕様のストラダーレ、GT選手権用のコンペティティオーネ、サーキット走行用のヴェルジオーネ・コルセの3タイプが存在した。A6はマセラティ史上最初のロードカーとして1947年に誕生した。Aは「アルフィエリ」、6は「6気筒」を意味する。




EXPO パビリオンで迎える2台。MC 12はフェラーリ・エンツォをベースにしたFIA 国際GT 選手権への参戦条件を満たしたモデル。赤いA 6 GCS はマセラティ史上最初のロードカーとして1947年に誕生した。A は「アルフィエリ」、6は「6気筒」を意味する。

GCSはオリジナルの1.5リッターエンジンの排気量を2リッターに拡大したロードレース用モデル。1956年までピニンファリーナやザガートなどいくつかのコーチビルダーがボディワークを手がけて世に送り出した。A6生産終了の翌年、いわゆる量産型市販車として発表されたのが3500GTである。
 
クラシック・マセラティ・ショーケースには本国に正式承認されているマセラティ・クラブ・オブ・ジャパンのメンバー所有の愛車も集まった。同クラブは毎年「マセラティ・ディ」というイベントを企画しており、今年はEXPOと同時開催となった。3500GTからビトゥルボ時代のギブリやザガート・コンバーチブル、3200GTや現行モデルまで、マセラティのプロダクトの変遷がひと目で分かる貴重な空間だった。

 
左)マセラティ・オーナーズクラブの協力でクラシック・マセラティも集まった。 右)マセラティとは長いつながりのある、イタリア
のボートブランドの老舗「riva」。マホガニーの船体が美しい。
 
マセラティ・ジャパンは認定中古車プログラムのCIを「Maserati Approved」に統一、厳選された最良のコンディションの中古車も50 台以上がディスプレイされた。単なる展示ではなく即売会でもあり、商談成立した際にはヘリコプターによる会場周辺の遊覧飛行という特別なプレゼントが用意されており、何度もヘリコプターが上空を舞っていた。

ちなみに「Maserati Approved」は初年度登録から4年未満、走行距離8万km以内、本社が規定するチェック項目のクリアなど厳しい条件を満たした車両のみとなっている。
 
マスター・マセラティ・ジャパン2019は、オーナー限定のドライビングアカデミーで日本での開催はこれが初めて。本国から公認インストラクターを招き、ドライビングポジションやステアリング操作、ブレーキングといった運転の基本所作のみならず、ジムカーナを模した特設コースでの実践まで、本格的に学べるプログラムだった。


オーナー限定でのドライビングアカデミーも日本で初開催された。公認インストラクターをイタリア本国から招き、本格的なプログラムを展開した。

「現行モデルはいずれもどちらかと言えば大きく重いですが、それでも限界域でのコントロール性は抜群にいい。これがマセラティの真骨頂です」とはインストラクターの弁。実際に参加させていただいたが、荷重移動のスムーズさと接地性の高さ、ドライバーの入力に対するレスポンスの良さが印象的だった。
 
来年には次期グラントゥーリズモの到来に向けた祝賀的なモデルスーパースポーツカー「グラントゥーリズモ ゼダ」の登場がすでにアナウンスされている。歴史と伝統、進化と先進を共に重んじているのである。

文:渡辺慎太郎 写真:マセラティ・ジャパン Words:Shintaro WATANABE Images:Maserati

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