クールな中に秘められた情熱│リシャール・ミル初の時計RM 001 トゥールビヨン

Richard Mille

"sisu"はフィンランド語で、スポーツにおける"ガッツ"や"決断力"といった内面に秘めた精神の力を意味する。フィンランド人F1ドライバーのキミ・ライコネンとリシャール・ミルのコラボレーションにより、"sisu"にさらに情熱が加えられ、ガッツ、技術力、そして楽しさを兼ね備えた特別な時計が誕生した。

リシャール・ミル初の時計RM 001 トゥールビヨンが登場した2001年、ひとりのレーシングドライバーがF1界にデビューした。ザウバーからマクラーレンを経て2007年にはフェラーリでワールドチャンピオンを獲得したキミ・ライコネンである。WRCに転向した後、ふたたびF1の世界に戻ってきたキミは、ロータス、フェラーリ、そして2019年からはアルファロメオ・レーシングのドライバーとして活躍している。
 
フィンランド人であるキミのニックネームは、そのクールで寡黙な様子から「アイスマン」。表彰台でもほとんど笑顔を見せず、酒豪らしくまずはシャンパンを一口飲んでから、おもむろにシャンパンファイトを始める。ピットからの細やかな無線指示に対しての「yes,Yes, YES! 」「Leave me alone, I know what I’m doing!(ほっといてくれ、やるべきことはわかってるんだ!)」というぶっきらぼうな返事はあまりに有名だ。

しかし、冷徹非情なわけではなく、ときに実に人間らしい一面を見せるのが彼の魅力のひとつで、周囲はこのキャラクターを"イジッて"楽しんでいる。キミがアイスクリームを食べると「アイスマンがアイスを食べた!」とSNSでネタにするメディアに対し、灼熱のマレーシアグランプリで「冷たいアイスでリフレッシュして」とキミからアイスの差し入れがあったこともある。前述の「LEAVE ME ALONE」発言にしても、のちにその文言入りTシャツが公式に販売されて大ヒットした。クールな面持ちと、こういったユーモアや茶目っ気のギャップが、皆に愛されている所以だろう。
 
前置きが長くなったが、2019年9月、F1シンガポールグランプリのタイミングでリシャール・ミルの新作「RM 50-04 トゥールビヨン スプリットセコンド クロノグラフ キミ・ライコネン」が発表された。2018年からアルファロメオ・レーシング(当時はアルファロメオ・ザウバー)をサポートしているリシャール・ミルの、待望のキミ・ライコネンモデルである。2001年から始まったキミのF1キャリアの中で表彰台獲得は103回、そのうち優勝は21回を数える。

常にクールであり続けるが、その冷静さの中に秘めたモータースポーツへの情熱と長年の経験による職人技ともいえるテクニックは計り知れない。同時に、39歳という年齢を迎えたキミは、無用なプレッシャーにさらされることなく、純粋にドライビングを楽しめる境地に至っていることも打ち明けている。同じ年にデビューしたリシャール・ミルも同様で、ユニークなアイデアと緻密な時計師の技術力に支えられ、クールで情熱的なモデルを独創的な発想を楽しむかのように発表し続けている。
 
このRM 50-04はスプリットセコンドクロノグラフ トゥールビヨンを備え、グレード5チタンとカーボン TPT®製のムーブメントの重さはわずか7g。香箱と二番車カナの歯先の形状が改善され摩擦が低下したことにより完璧な動力伝達が可能となり、複雑な機能であるにもかかわらず誤作動を防止している。アルファロメオ・レーシングのF1 マシンC38のカラーリングをまとい、その情熱的な赤はムーブメントに使用されているカーボンTPT®のフランジやクロノグラフカウンター、パワーリザーブ、トルクとファンクションインジケーターにも採用されている。文字盤に刻まれている数字はキミのカーナンバーである「7」。

キミ・ライコネンとリシャール・ミルの根底に共通して脈々と流れる情熱と冷静さが、このエクストリームウォッチの中に息づいている。もちろん、ヒューマニズムあふれたユーモアも、だ。


RM 50-04 TOURBILLON SPLIT-SECONDS CHRONOGRAPH KIMI RÄIKKÖNEN

44.50 mm×49.65 mm×16.10mm
クオーツTPT®&カーボンTPT® ケース
手巻トゥールビヨン(cal.RM 50-03)
50 m 防水/約70時間パワーリザーブ/スプリットセコンドクロノグラフ/トルクインジケーター/パワーリザーブ表示/ファンクションインジケーター
世界限定30本
価格:124,000,000円(税別)
2019年内発売



振動(バイブレーション)で意表をつく



時計メーカーはあらゆる手を尽くして衝撃や振動に耐えうる時計を作ろうとしている。しかし、ムーブメントの内部に振動を起こすことで音がまったく響かないアラームを作り上げてしまったのが、リシャール・ミルとエアバスコーポレート・ジェット(ACJ)のコラボレーションにより誕生した「RM62 - 01 トゥールビヨンバイブレーション アラーム ACJ」である。RM62 - 01のアラームは一切音が出ない。

数センチ離れれば誰にも気づかれない振動が、着用者のみに時間の訪れを告げる。静寂なファーストクラスのキャビンやビジネスパーソンの緊迫した会議中にマッチした機能といえよう。
 
ムーブメント内に振動を発生させるという逆説的な発想を具現化したのは、リシャール・ミルの中でも最も複雑な機構の開発だ。部品は816個、2つの香箱、7本の針、11種類の機能、そしてトゥールビヨンキャリッジを搭載するRM 62 - 01は5 年間もの開発を経て生まれたという。航空宇宙産業の核を担うエアバス社の技術者たちが追い求めるもの、それは空を旅する旅行客に最高の安全性と快適さを提供することだ。リシャール・ミルはその志にインスパイアされ、アバンギャルドで斬新なアイデアを形にするべく挑戦した。RM62-01は、その集大成といえるだろう。


RM 62-01 TOURBILLON VIBRATING ALARM ACJ

42 .00 mm×49. 94 mm×16.90 mm 
チタン&カーボンTPT® ケース
手巻トゥールビヨン/ 50 m
防水/約70時間パワーリザーブ
ファンクションセレクター/オーバーサイズデイト/ AM/PM インジケーター
世界限定30本 
予価:132,000,000円(税別予価)


問リシャールミルジャパン TEL:03-5511-1555

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事