1900馬力を発揮するラグジュアリーハイパー EV│一度の充電で東京から大阪まで

80年以上の歴史を持ち、イタリアン・カロッツェリアとして最高峰に君臨してきたピニンファリーナ。新ブランドとして2018年に誕生したのが、アウトモビリ・ピニンファリーナである。高性能なEV開発・製造を行っており、2019年3月にはピュアハイパーEVであるバッティスタ ピ二ンファリーナを発表した。そして、日本でも取り扱いされることが決定し、その姿が披露された。

ピニン ファリーナの歴史を辿ってみると、その名が世界に知られるようになったのは、1947年に発表したチシタリア 202がきっかけだ。曲線の美しいデザインと空力を意識したスポーツカーとしての性能を持ち合わせた202は、“動く彫刻”と呼ばれたほど完璧なスタイリングを持っている。


発表会場に展示されたチシタリア 202のミニチュアカー。

その芸術品を生み出した人物こそ、創業者であるジョヴァンニ・バッティスタ・ファリーナであった。そして、その名はこのハイパーEVのネーミングに受け継がれており、ピニンファリーナが2020年には90周年を迎えることへのオマージュでもあるのだろう。

現在、ピ二ンファリーナSpAのCEOを務めているのは、バッティスタの孫にあたるパオロ・ピニンファリーナ。彼はピニンファリーナブランドから未来に向けたゼロエミッションEVが誕生することを長きにわたり望んでおり、「夢が具現化されたものです」とこのピュアEV バッティスタを表現した。



これからの世界に合わせたゼロエミッションカーであるが、その根源には“ピュアであること、美しくあること、貴重な存在であること”などピニンファリーナの「形態と機能」を大切にしたデザイン哲学が貫かれている。

実際に、バッティスタ・ピ二ンファリーナを開発するにあたり集められたメンバーは、マクラーレンP1、パガーニ・ゾンダ、ポルシェ・タイカン、ブガッティ・シロンなどのラグジュアリーハイパーカーに携わり知識を持っている人々だ。技術、デザインに関しても、エキスパートたちの理想と能力が注ぎ込まれているのだ。フォーミュラEのレーシングドライバーである、ニック・ハイドフェルドがプロジェクトメンバーとしてテストドライブを重ねており、その性能は証明されているのだ。


ピレリもパートナーのひとつに加わっている。

これまでにイタリアで生み出された公道走行可能なEVの中で、最もパワフルだと言われているバッティスタは最高出力1900hp、最大トルク2300Nmを発揮する。また、0-100km/h加速も2秒で可能。120kWhのリチウムバッテリーを搭載し、一回の充電で東京から大阪までの距離(約500km)を走行可能だそうだ。





インテリアには、3つの液晶パネルが配され、カーボン素材やアルカンターラ、レザーなどラグジュアリーカーならではのマテリアルがふんだんに使用されている。



また、ラグジュアリーカーらしく自分好みに様々なカスタムが可能。細かなところまでカラーも選択することができる。「バッティスタのオーナーには、すべて違って個性的な1台を乗ってもらいたいんです」と話しながら、アジア圏セールスマネージャーであるアンソニー・トッコはカスタム例を見せてくれた。


個人的な好みでカスタムしてみたバッティスタ。ビビッドなカラーも選ぶことができる。


現在は開発段階であり、春までにはサーキットテストも終え、生産開始は2020年10月を予定しているという。生産台数は世界150台で、シンガポールや台湾、中国なども含め世界中で割り振られる。価格については未定。

オクタン日本版編集部

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