掃除から始まるメンテナンス│フェラーリ専門スペシャルファクトリー

クラシックモデルを中心に日本各地から跳ね馬の集まる工場が奈良にあるフェラーリ専門スペシャルファクトリー、ナカムラエンジニアリングだ。理由を問わず入庫したフェラーリはまず、徹底的にクリーニングされる。

その日も熟練のメカニックが自らフェラーリ328GTBのリアアクスルまわりをクリーニングしていた。タイヤ&ホイールを外し、両手はもちろん身体中を真っ黒にしながら、長年に渡ってこびり付いた油汚れを落としている。"せっせと"という表現がぴったりなくらいに、メカニックは清掃作業に没頭していた。

「この作業に今日ほとんど丸一日掛かっちゃいましたよ」。メカニックのF氏がひと息つきながら言う。なるほど、その向こうに見えた328のリアアクスルまわりはいぶし銀の輝きを取り戻していた。作業前はほとんどまっ黒に近かったというのに。
 
ナカムラエンジニアリングに入ってきた車両は、フルインスペクションメニューはもちろん、各種メンテナンス作業の名目であっても、まずは"清掃"を受ける。徹底的に。そうして初めて、依頼されたメニューに取り組む。掃除をすることによってオーナーさえ気づかなかった不具合や破損、欠損、危険な兆候を発見することができるからだ。もちろん、メカニックにとってもキレイになっている方がその後の作業もラクである。
 
だから、ナカムラエンジニアリングに入庫した跳ね馬のアシまわりや機関まわりは、"頼まれもしないのに"キレイになっている。自分の跳ね馬がまるで垢を落としてきたかのようにどこかすっきりとして見えるのは、見えないところまで手を抜かないというナカムラエンジニアリングの方針によるところも大きい。
 
いったいどんな作業をしているのか。気になった向きはぜひ一度、この秋に全面リニューアルされたナカムラエンジニアリングの公式サイトを訪れてみて欲しい。そこでは日々、どのような作業が行われているのか、写真付きのファクトリーリポートが掲載されている。
 
創業以来初となるCI変更を行い、公式サイトも一新したナカムラエンジニアリング。クラシックモデルメインのスペシャルファクトリーには、今日も日本中から跳ね馬たちが集まってくる。人気のメニュー"フルインスペクション"(税別7万円)などに問い合わせも多く、現在では入庫待ちが出ることもしばしば。何といっても、引き取りに掛かる費用は高速道路代とフェリー代のみというから、遠方からの問い合わせもひっきりなしだ。
 
問い合わせはもちろん、整備入庫待ちの跳ね馬も増えてきた。さらに、クラシック・フェラーリ用のtubi製エグゾーストシステム(純正と同じ仕様)の取扱いも始めるなど業務も拡張しつつある。
 
そこで今、ナカムラエンジニアリングでは経験あるメカニック&エンジニアを募集中だ。腕に覚えがあり、フェラーリに携わってみたいという方は、是非一度、問い合わせてみて欲しい。車が、そしてフェラーリが、好きで好きでたまらないという経験者であれば大歓迎されるはずだ。



ナカムラエンジニアリングでは現在、クラシック・フェラーリの販売を強化するべく国内外からベースとなる個体も集まってきている。たとえばこの512BBは長らく国内で保管されていたもので、これから仕上げて販売する予定だという。探しているモデルや売りたいモデルがある方も、問い合わせてみてはいかが。


問ナカムラエンジニアリング
〒639-1103 奈良県大和郡山市美濃庄町271-13
TEL:0743-54-6400
https://www.nakamuraengineering.com/

Words:Jun NISHIKAWA Photography:Hidehiro TANAKA

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