ロールスロイス・レイスにあしらわれた精巧なハヤブサの刺繍

Rolls royce

ロールスロイスの本拠地、ウェストサセックス州のグッドウッドにおいて、世界最速と言われ、パワーとスピードを象徴するハヤブサをモチーフにした刺繍が施されたロールスロイス・レイスが発表された。ビスポークデザインチームから発表された鋭い爪をもつ猛禽類の刺繍は注目を集めた。

ビスポークデザインチームによってデザインされたハヤブサは、極めて写実的でありながら、車両のルーフには雲の中を思わせるデザインが描かれている。この刺繍には約25万針という手間がかけられ、デザイナー、職人、エンジニアからなるプロフェッショナルチームが約一か月以上にわたり制作を続けたものだという。



ロールスロイス社の刺繍部門の責任者であるジョシュ・ライルス(Josh Liles)は、クライアントの要望を解釈し、それを作品に落としこみ続けてきた。彼はロールスロイスのレザー部門に見習いとして入るまでは、機械工学や3Dデザイン、建築の部門を渡り歩き、ロールスロイスの一員となってから9年、今や優秀な職人チームを率いてブランドのすべての刺繍に対して責任を持っている。

「今回のデザインでは、ハヤブサを何時間にもわたり観察しました。その筋肉組織、動き方、羽の陰影、全てを理解する必要がったのです。今回の作品では、ハヤブサの攻撃的な様子をデザインしたかったので、意図的にくちばしを強調し、瞳を傾けています。そのために、わたしたちはハヤブサがわたしたちを警戒し、威嚇する様子まで観察し続けました。その刺繍の向き、長さ、ステッチの間隔は、最終イメージを大きく左右しますから、試行錯誤を重ね、何通りものデザインを作り上げました」と、コメントした。

「このハヤブサの刺繍は、非常にやりがいがありました。本来、技術的にこの密度でレザーに刺繍を施すのは非常に難易度が高いことです。このような刺繍はレザーに圧をかけ、物理的なゆがみを生じさせます。これは当然、ロールスロイスでは許されないことです」と続けた。

レイスという特別な車両との融合で、さらにこの刺繍は特別なものとなった。雲の中に伸びていくような現代建築にインスパイアされた、車の内部に広がるこの芸術的なモチーフは、ファルコンの翼として、抽象解釈することもできる。レイスのバラブルーとアンダルシアンホワイトのボディにも、手作業によってコーチラインと同じ工程で施されている。



車内空間でも後部座席の飾りとして、モチーフがあしらわれている。このモチーフはチャールズブルーのレザーの色味を前面に押し出しており、ビスポーク ロールスロイスのギョーシェにインスパイアされた時計が、美しいベイビーブルーのデザインを完成させているのである。

オクタン日本版編集部

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