ポルシェが追い求める「軽量化」│すべての要素とのバランスが肝

Porsche museum

スポーツカーづくりにおいて、昔も今も重要視されているのは、車両重量とエンジン性能のバランスだ。スポーツカーと呼ばれる数々の名車を生み出してきたポルシェは、初期の段階から重量の削減と軽量構造に専念していた。 

この「軽量化」の理念を、例を挙げて詳しく紹介しているのが、かつてシチリア島の山道を舞台に争われた耐久レース、「タルガ・フローリオ」をテーマにしたポルシェ・ミュージアムでの展示だろう。ここで紹介されている展示車は、ポルシェの中核を担う技術として軽量構造設計に焦点を当てたものが揃う。ポルシェのレーシングカーが他のどの車よりも優れ、タルガ・フローリオで輝かしい実績を残した理由はその軽さと速さにあったのだ。



1952年 356アメリカロードスターは当時のポルシェ車の中で最軽量を誇る一台であった。その車重は約600kgという軽量さで、356 1500S用の1488cc空冷水平対向4気筒OHVエンジンが搭載された。最高出力は70hp、最高速度は177km/hを発揮したそう。



このように、軽量化を性能を追求した理念は、ショートテールのポルシェ908クーペにも込められている。1968年に登場したこのレーシングカーの極薄ボディはファイバー強化樹脂製で、わずか130kgという軽さで、1970年のタルガ・フローリオでは908が1、2、4、5位を独占したほど。スティーヴ・マックイーンが所有し、70年のシーブリングで2位に入賞した車もポルシェ908/02-022であった。その実車は、のちにカメラカーとなり70年のル・マンに出場。映画「栄光のル・マン」で、本戦の走行シーンで使用された。

オクタン日本版編集部

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