個性溢れるコンセプトカーの祭典 フランス・パリで2020年現地レポート

Photography: Tomonari SAKURAI

フランス・パリの2月と言えばレトロモービルだ。しかし、前の週にはコンセプトカーの祭典フェスティバル・オートモービル・インターナショナルが開催される。2020年で35回を迎えるこのイベントはナポレオンの墓の前で行われる。

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パリの軍事博物館となっているオテル・デ・ ザンヴァリッド廃兵院の裏手、ナポレオンの墓があるドーム教会の前に特設テントが張られて会場となる。規模はそれほど大きくないが、前年に発表されたコンセプトカーが各カテゴリーで表彰され、デザインに重点が置いかれる。以前はデザイン的にすぐれたヴィンティッジカーも展示されていた。そのあたりが、うまくレトロモービルとオーバーラップされていたというのもある。



ここ数年は、現代車のみの展示となったのがやや寂しいところだ。各メーカーの個性がより強く出るコンセプトカーのみが集まったイベント会場は、普通のモーターショーとはまた違った印象。自然光を多く取り入れたテントの中で輝いている。コンセプトカーをテーマにした多くの展示は室内の展示場が多くスポットライトに照らされることが多い。それはそれで、デザインコンセプトに併せたライティングとなるが、こうやって自然光で見られるのは車らしくて良いのである。


アルピーヌはコンセプトカー、歴代のマシンそして現行車を交互に展示した。


受付を済ませて会場に入るとベルギーのフレッド・クリューガーのハンドメイドによるシングルシーターに始まり、昨年のルマン24時間レース中にフランスのアーティスト、ナイロネ・デファイブによってリジェにペイントするパフォーマンスを行ったマシンを眺めながらメインのブースへ。昨年100周年を迎えたベントレーの放った、2035年のベントレーEXP 100 GTを中心として、イタルデザインを去ったジョルジェットとファブリツィオ・ジウジアーロによって興されたGFG Styleがデザインしたコンセプトカーも目にすることができる。

ゲームの世界で操縦可能なランボルギーニの初の「ビジョングランツーリスモ」"Lambo V12 Vision Gran Turismo"は最もレーシングにコンセプトを置いたモデルだ。その割にはずいぶん隅っこで展示されていた。しかし、常に人だかり。アルピーヌは、コンセプトカーや現行のモデルと往年のモデルを交互に並んで展示していた。


LAMBO V12 GRAN TURISMOのエンジンはアヴェンタドールSVJをベースにしている。

この初日の午前中は一般公開に先駆けてプレス向けに公開されていたのだが、その中に混じって子供達がいた。中には母親と一緒にお気に入りの車と写真撮影をしていたり。実はカーデザイナーを夢見る子供達だったり。フランス国内のカーデザイン専門学校や、プロ向けのインダストリアルデザインの学校も参加しており、その一環で子供達に特別なツアーが企画されていたようだ。


フレッド・クリューガーによるハンドメイド、ワンオフカー。


このイベントは、コンセプトカーのデザインとアートの祭典としたものだが、会場を見回しても日本のメーカーがいないのはとても残念である。2月2日まで開催されているが、これが終わるといよいよレトロモービルが始まる。そしてその時を同じくして、この同じテントの中ではRMサザビーズのオークション会場となる。車を締め出そうと躍起になっているパリが車一色に染まる季節の始まりを知らせるイベント、それがフェスティバル・オートモービル・インターナショナルなのだ。

写真&文:櫻井朋成

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