フェラーリも50年前はパトカーだった?!実際に使用されていた一台がオークションに

Girardo & Co./ Polizia di Stato

身近な存在の車であるパトカーは、ドバイではランボルギーニを採用していたり、過去には日本でもポルシェを採用した地域があったりと、個性溢れる歴史がある。そして、イタリアではかつてフェラーリがパトカーとして活躍していたこともあった。そして、その実際にパトカーとして使われていた一台(シャシーナンバー 3999GT)がオークションに出品されている。

サイレンを付けたフェラーリは、1962年 フェラーリ 250GTE 2+2だ。250 GTEはフェラーリとしてはじめて市販化した4シータータイプで、4台のプロトタイプが製造されたといわれている。そのうち1台はエンツォ・フェラーリのパーソナルカーとして愛用されたことでも知られる。1960年 ル・マン24時間ではペースカーとしても活躍した。

流れるような洗練されたデザインはピニン ファリーナが手がけたもので、250GT LWB TdFと同じシャシーにコロンボ設計の3リッター V12エンジンを搭載し、最高速度は140mphにまで達した。3シリーズに分類され、シリーズⅠとⅡはフロントグリル内にフォグランプが収まっているという見た目に大きな違いはない。シリーズ3になると、フォグランプがグリルの外側に配置されることが特徴である。4シーターのGTEはフェラーリにとってベストセラーになり、1960年~1963年の間で953台が製造された。

では、なぜこの車がパトカーになったのだろうか。1962年にイタリアで大統領を務めていたジョヴァンニ・グロンキが、"ローマの街を守るためには何が必要か"と警察署長に答えを求めたところ、それこそがフェラーリ 250GTEだったのだ。警察がランプとラジオ、サイレン、スクアドラ・モビル・ポリスカーのステッカーを250GTEに貼り、4シーターかつ速く走れる高性能な一台はイタリアの悪者たちを追う車として大活躍を見せた。



シャシーナンバー #3363の一台は、警察がロードテスト中に大きな事故を起こしフェラーリファクトリーへと戻された。今回出品されている#3999は、"POLIZIA 29444"のプレートを付けて1963年~1968年まで実際に使用されていたもの。1973年に警察がオークションにかけており、オーナーを変えながら現在まで保存されてきた。すべてオリジナルを保っているそうで、クラシックフェラーリの車両としても価値ある一台だろう。

落札推定価格は未公表だが、世界中のコレクターが競い合うことが予想される。

オクタン日本版編集部

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