オクタン日本版vol.18 特集:ALL THE 250s

フェラーリ250のすべて

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公道上で、そしてサーキットで、これほど数多くの伝説を生み出したモデルは他にない。1952年から1965年までに誕生した18種にも及ぶフェラーリ250すべてを、グレン・ワディントンが解説する。

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250 S (1952)  生産台数:1台
250の名が与えられた最初の1台。ジョアッキーノ・コロンボ設計のV12を刷新して、排気量3.0ℓに拡大したものを搭載し、1952年のミッレミリアにエントリー。この年の優勝候補はメルセデスベンツ300SLプロトタイプだったが、フェラーリはミッレミリアが新エンジンのテストに適していると判断。V12エンジンの強力なパワー、そして軽量コンパクトなヴィニャーレのボディ(車重はわずか850㎏に過ぎなかった)が威力を発揮し、栄冠を掴み取った。ここに伝説は幕を開けた。

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250 GT Europa (1954-56)  生産台数:30台
歴史に残る1台。GTの名前が与えられたフェラーリ初のモデルであると同時に、仕様が共通化された最初のフェラーリでもある。外観は前年デビューのエウローパとよく似ているが、エンジンはコロンボ設計のものに置き換えられている。これは、公道走行を前提に開発されたモデルとしては初めてのことだった。エレガントなデザインのボディは、顧客の好みにあわせていくつかのバリエーションが作られたものの、そのほとんどはピニンファリーナ製だった。最高出力220bhpに対して車重は1トンをわずかに越える程度だったこともあり、GT エウローパは250GTが確固たる地位を築くうえで大きな役割を果たした。

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9_250GT C.jpg©RM SOTHEBY’S

250 GT California Spyder (1957-63)  生産台数:104台
アメリカのインポーターだったルイジ・キネッティの熱いラブコールに応える形で生み出された、華やかなコンバーチブル。アメリカ市場のためにデザインされたもので、スカリエッティによるボディワークには四角張ったスポーティな造形が敢えて採用された。1960年のジュネーヴ・ショーでその発展版がデビューした。ホイールベースが200mm短縮されて2400mmにされると同時に、当時最新のV12エンジンを搭載し、280bhp /7000rpm の最高出力を生み出した。その当然の結果として、カリフォルニア・スパイダーは現在もっとも価値あるフェラーリの1台と見なされている。

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13_SWB.jpg©RM SOTHEBY’S

250 GT SWB (1959-62)  生産台数:176台
スカリエッティが生み出した美しいボディはより現代的かつコンパクトで、実に個性的。2400㎜のホイールベースを引き締まったボディで包み込んでいる。このGT SWBも歴史に名を残す1台といえる。なぜなら、保守的で知られるエンツォ・フェラーリが4輪にディスクブレーキを装着したのは、これが初めてだったからだ。コンペティション仕様のアルミボディは車重が960㎏ちょうどで、スティールボディのルッソ(装備が豪華)は1100㎏。最高出力は240bhp から280bhpまであったが、いずれも7000rpm で発揮した。デビューするやいなや直ちに成功を収め、トゥール・ド・フランス、モンツァ・インターエウローパ・カップ、そして1961年のツーリスト・トロフィーなどを制した。

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6月5日から発売のオクタン日本版vol.18では、この他にも様々な250シリーズについて紹介している。フェラーリファンはぜひご覧いただきたい。

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オクタン日本版vol.18「魅惑のイタリア車」 特集一覧はこちら
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