クラシックカー乗りの「アシ」に最適な車は?輸入車12台を乗って比較!

Photography: Keishi OKUZUMI



ジャガー I-PACE HSE 


☆魅力的なポイント:新しい乗り物感があってワクワクする形と性能。新ジャガーらしさ。
★改善してほしい!:満充電から400キロは走るだろうが、関西までは無給電で行きたい。



エンジンカーでは成立しないパッケージングとパフォーマンスさえあれば、エンジン好きだってEVを受け入れる覚悟も芽生える。まるで空力の良いスポーツカーのように路面を舐めながら走るサマはSUVではあり得ないし、サルーンにだって難しい。すべてに新しいことが、かえって古い車好きにも◯じゃないか。クラシックカーで存分ガスを吐く人には“ひとり議定書”を結ぶ意味でもBEVには注目して欲しい。すべてのクラシックカー乗りにオススメ。


ルノー ルーテシア R.S. トロフィー ファイナル


☆魅力的なポイント:硬いが素晴らしい粘りをみせるツウ好みのアシ回り。
★改善してほしい!:シンプルだと褒めるにはあまりに無愛想なコクピット。



これ一台でも十分にマニアックなカーライフを送ることができるというもので、運転を趣味で楽しむという意味ではクラシックカーとさほど変わらない気もする。もっとも、ニンブルなハンドリングとパワフルなエンジンを気兼ねなく試すことができるという点で、クラシックカーとはまた次元の違う面白みがあるのかも知れない。スパルタンな仕立てだがクラシックよりはよっぽど実用にも使える。普段乗りから運転を楽しみたいという向きに最高だ。


テスラ Model 3 


☆魅力的なポイント:従来の乗用車の概念を覆すiPhone的なデザインとコンセプト。
★改善してほしい!:バッテリーシステムや車体そのものの耐年使用性に不安あり。



趣味で爆音と排気ガスを撒き散らす身としては普段乗りくらい静かにそしてクリーンに走りたいという希望はあるはず。航続距離やルート選択の不安など、そんなことの経験は豊富。そう、BEVはクラシックカー乗りとの相性が大変よい。次世代の乗り物でもいっちょ試しておこうか、というふうにカジュアルな感覚で小さいテスラには乗って正解。ガラケーからiPhoneくらいの衝撃はあるはず。日々の移動だけならもうこれで十分という気にはなるだろう。


DS オートモビル DS7 クロスバッグ グランシック Blue HDi


☆魅力的なポイント:これまでの常識を覆すインテリアデザインの妙味。
★改善してほしい!:シトロエンではなくDSというブランドバリューの曖昧さ。



DSという名前の響きがすでにクラシック。けれどもマニアのよく知るDSとは名前以外に共通点はなく、アヴァンギャルドな内外装デザインに同じ匂いを何とか嗅ぐことができる程度である。奇抜なデザインながら至極真っ当な走りをみせるから、シンプルなオープンカー乗りのセカンドカーという具合に対照的なパートナーシップを築くというのも面白い。何にせよほとんど知られていないブランド名ゆえ、マニア用としてはかえって重宝するかも。



今回はJAIA(日本自動車輸入組合)の主催する毎年恒例の大試乗会に参加し、数あるガイシャの中からクルマ趣味人のセカンドカーに面白そうなモデルを選んで試乗した。一日でこれだけの台数を試すといろんなことが分かってくるけれど、イチバンはやっぱりこれ。「ブランドごとに個性があってガイシャって面白い!」。参考にしていただければ幸いです。

文:西川淳  写真:奥隅圭之

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