伝説のドライバー ジャッキー・イクスが語る│最も記憶に残るル・マン24時間での思い出

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24時間は 86400秒。しかし、“ル・マン24時間”という場ではそれ以上の何かを感じることができる。忘れることのない、歴史的な瞬間が起こるのだ。小さなエピソードから大きなサクセスストーリーまで、十人十色、喜びや悲しみの感情が24時間の中で交錯する。ル・マン 24 時間が開催される時は、いつの時代もレースに魅了された観客一人一人の情熱がひとつとなり、会場を包み込む。そんな瞬間を間近で見て、感じてきた関係者が語るル・マン24時間での武勇伝をご紹介。

・ジャッキー・イクス ベルギー出身 1945年1月1日生まれ ル・マンで6度の優勝獲得
1977年 ル・マン24時間 怒涛の追い抜きで勝利
「レース開始後3時間の時点で、チームの敗北は決定的と思われていました。私がステアリングを託された936はレース序盤で離脱していまい、途中からユルゲン・バルト/ハーレイ・ヘイウッド組に加わりました。しかし、コンディションが厳しくて途中経過は42位に。しかし、ここから驚きの展開が待ち受けていました。雨と霧が立ち込める中、リミット限界の速度を維持しながら夜のサーキットをひとりで走り抜き、42位から3 位、28位、20位、9位、6位、5位といった具合にどんどん順位を上げていたのです。

レースを見ていた人が奇跡を信じ始めたのは、そのあたりからですかね。ユルゲンとハーレイはいつにない速度で走っていましたし、メカニックたちの仕事ぶりも素晴らしいものでした。私は夜通し走っていたのにまったく疲労を感じていなかったのです。そしてついにトップに躍り出ました。日曜日の午前になると、一気に疲れが襲いかかってきました。ユルゲンがチェッカーを受けた時、936のエンジンは 5気筒になっていましたよ。私ならダメだったと思います。レースでは数多くの華やかなエピソードが起きますが、1977年のル・マンは別格でした。このようなミラクルが積み重なっていき、ポルシェ神話は築かれていったのでしょう」

オクタン日本版編集部

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