ヒュンダイ 韓国自動車メーカーとして初めてFC EXPO出展│2030年までの計画とは?

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2020年2月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催される世界最大規模の水素燃料電池の展示会「第16回[国際]水素・燃料電池展 ~FC EXPO 2020~」に、ヒュンダイが韓国自動車メーカーとして初めて出展する。

今年で16回目を迎える同展示会への出展を通じて、ヒュンダイは水素燃料電池(Fuel Cell)システムの開発と水素電気自動車(FCEV)の製造におけるリーダーとしての地位の強化を目指すという。同社の展示ブースでは、世界初の移動式水素燃料電池発電機、鉄道車両/路面電車用燃料電池システム、既存の水素電気自動車の中で最も走行距離が長く、世界初のSUV型水素電気モデルである「NEXO(ネッソ)」に搭載されているモジュール型燃料電池などが展示される。

ヒュンダイは、近い将来、移動式燃料電池発電機がディーゼル発電機に代わるゼロエミッション発電機と位置付けられると考えている。同社が開発した移動式燃料電池発電機は、「NEXO」に搭載されている燃料電池スタックを2つ組み合わせたもので、既存の燃料電池発電機よりも小型(2,800mm×1,500mm×1,100mm)で移動性に優れる。160kW(最大出力)の出力で電気自動車を1台、もしくは80kWで2台の電気自動車を同時に充電することが可能。

この発電機を使うことで、より大容量のバッテリーを搭載するEVバスやトラックなどの商用車への充電が容易になる。その耐久性と移動性の高さから、電気インフラがないラリーレースなどの過酷な環境でも電力提供が可能なことや、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから発電すればゼロエミッション・ラリーも可能になることから、EVモータースポーツの分野での普及も期待できるのである。また、映画製作・遠隔放送の現場、屋外劇場など、様々な用途での電力供給が可能になる。

今回出展するヒュンダイの鉄道車両/路面電車用燃料電池システムは、95kWの出力で62%のエネルギー効率を実現している。従来のシステムから高さを173mm削減することに成功し、鉄道車両の上に設置できる550mmの薄さだ。ディーゼル機関車に代わる、静かで環境に優しい、都市環境におけるLRT(次世代型路面電車システム)に理想的なシステムといえる。

ヒュンダイはこのFCシステムを、フォークリフトや、掘削機、船舶、ドローンなど多様な物流手段に搭載するビジョンを描いているほか、小型・軽量化やコスト競争力を高めることで、中長期的には同システムを活用した消費者向け製品を開発する予定。

また、2030年までに水素FCシステムの年間生産台数を70万台に増産するという中長期ロードマップ「FC Vision 2030」を発表。水素電気自動車向けに水素FCシステムを50万台提供するだけではなく、列車、フォークリフト、船舶、発電機、ドローンなどの用途に20万台を供給する予定だという。インフラ建設事業においても協力し、水素産業のエコシステムの拡大を主導していく存在となるだろう。

オクタン日本版編集部

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