見るも無残・・・事故から40年以上放置されたBMW│オークションで1000万円超え

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パリで2月に開催されたオークションにて、朽ち果てた姿のBMW 503クーペが8万9400ユーロ(約1072万円)で落札された。

BMW503クーペは、BMWが1955年のフランクフルト・モーターショーにて507と共に発表したモデルである。 オールアルミ製のボディに、3.2リッター V8エンジンを搭載し、高級スポーツカーとしてアメリカマーケットをターゲットに1956年より販売された。エクステリアデザインは、日産 初代シルビアなども手がけたドイツを代表するカーデザイナー アルブレヒト・フォン・ゲルツが担当し、曲線が美しいスタイリングとなっている。インテリアも豪華な仕上げにされたものの、クーペとカブリオレで計413台のみの生産で終了となる。近年では、507と並びBMWを象徴するクラシックスポーツカーとして人気を集めているのだ。

そして、今回オークションに出品された503クーペは、1958年10月24日にラインオフされ、ベルリンのディーラーにデリバリーされ誰のものにもならないまま約1年を過ごした。その後、ベルギー・ブリュッセルのディーラーへ移る。ベルギー人の医者が購入したのだが、1976年に事故を起こしフロントマスクが大破。そのオーナーは代わりにジャガーを購入し、壊れた車はディーラーに預けたままにしたという。

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2007年に著名なコレクターが購入してからもメンテナンスはされることなく、オークションに出品されるという悲しいストーリーを持った一台なのだ。車にはツールキット、スペアホイールなどが付属するが、すべて劣化は激しい。カラーについてはエクステリアもインテリアも元の姿が残っており、エンジンもオリジナルを保っている。今度こそ、オーナーが愛情をたっぷり注ぎレストアし、しっかりと走らせてほしい一台だ。

オクタン日本版編集部

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