まるで未体験ゾーンの異次元移動体│トップの刺激を味わうパーシング 8X

地中海のラグジュアリースポーツボートのトレンドリーダーは間違いなくパーシングといえる。レーシングボートに採用されるサーフェスドライブシステムをラグジュアリースポーツボートに採用し1990年代にはマリンシーンの寵児になっていた。毎年のように斬新で刺激的なメッセージを発信するパーシングの最新モデルが80フィートの8Xだ。

創立30周年を期して始まったイノベーションはラグジュアリーパフォーマンスボートの先端シーンを8Xがまた書き換えてしまった。パーシングの進化が止まらない。クーペフォルムにサーフェスドライブのスタイリングをアイコンにしたパーシング。2016年、中核であるマキシクラスではハイパフォーマンスバージョン82フィートの82VHPでMAX50ノットを確実なものとし、第4世代の90フィートの9Xを2017年カンヌヨッティングフェスティバルでローンチした2年後、2019年1月デュッセルドルフで“X Generation”のシンボルとして新たな80フィート、8Xをお披露目した。

同時にメガヨットクラスの140フィート艇P140を華々しくデビューさせたかと思えば更に春にはP170プロジェクトを発表。2019年のラインアップはアルミハルの140New、108、9X、カーボンハルの8X、82、74、70、62、5Xの9艇種だ。キャッチフレーズは“The Carbon Fiber Revolution”。ハルの骨格ストラクチャーはもとよりあらゆるところにカーボンケブラーを採用、強度と軽量化を計っている。



Ferretti Group CEOのALBERTO GALASSIは、「我々は今QUEENの”Don’t Stop Me Now”の心境なのだ」と表現した。

エアロダイナミクスの見直しに始まる新たなチャレンジ。8Xのイノベ―ションには創立からのデザイナーFulvio De Simoniと、あのPiero Ferrari フェラーリ社副会長率いるFerretti Group Product Strategy Committeeの強力なリレーションシップによる意思がある。スタイリング、パフォーマンス、すべての領域におけるトップエンドの刺激を果たすこと。このコミッティにフェラーリのPiero Ferrariが存在することの意義。

歴史を振り返る。イタリア半島の東の海、アドリア海のビーチリゾート・ファノの内陸Mondolfoにパーシングの近代的なファクトリーはある。清廉且つ広大な建屋が並び、ヘッドクオータはガラス張りのモダンなビル。創設は1985年。Tilli Antonelli, Faust Filippetti, Giuliano Onoriの3名の青年たちが、現在のファクトリーにほど近い丘陵地にファクトリーを建て、パーシングを立ち上げた。もちろん賛同者にこの人もいた。Fulvio De Simoni。彼のデザインになるオープンスポーツボート パーシング45に始まる。その名はアメリカの将軍、ジョン・ジョセフ・パーシングに由来する。

以来、彼らのテーマは飽くなきInnovation、Evolutionの追求となる。1998年にはFerretti Groupに参加し現在に至る。8Xがその美しい姿を見せている。全長25.55m全幅5.86。イクステリアは見事なまでのバランスと流麗なフォルムを見せつける。さらに傾斜したフロントウインドウからルーフへのライン、大胆且つダイナミックなピュアシルバーのハル、エレガントな弓状ラインの流れるダブルウインドウ。後部のルーフからの華麗なアーチ。

創立30周年記念の2015年に登場したパーシング 70からリアクオーター周りのスタイリングに大きな変更を取り入れた。ルーフからガンネルに伸びるアーチ状の構造物。翌年の50には究極の「X」をモデル名に取り入れ「5X」とした。Xモデルはリアクオーターにルーフから伸びる「アーチウイング」と呼ぶ白鳥のウイングをイメージしたピラーが伸び、ガンネルと一体化を図る先鋭的なスタイリングが特徴だ。

文:山崎憲治

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