まるで未体験ゾーンの異次元移動体│トップの刺激を味わうパーシング 8X



9Xで完成かと思われたがこの8Xは更に進化途上にあり大胆な試みがなされている。フライブリッジへのアプローチが話題となった。左舷の「アーチウイング」と一体化したチークのステップ、カーブを描いてエスコートされる華やかな仕組みが施されていることだ。その骨格構造はカーボンケブラー。フライブリッジもカーボンケブラーを骨格構造としレーダーステイもしかりだ。

スタイリングをシンボライズする「アーチウイング」はボディ剛性の強化のみならずその形状にはエアロダイナミクスが考慮され、排気の巻き込みやスプレイの巻き上げをアフトコクピットに及ばさない整流効果をもたらしている。ハルサイドにはデザイン化されブラックアウトされた異形長菱形の意匠舷窓、エレガントだ。サイドフォルムにもFulvio De SimoniとAdvanced Yatchs Technology and Design Officeのデザインフィロソフィが潜み、機能性能をデザインに昇華させるイタリアの美神が隠れ住む。

Williamsのスポーツジェットボート345jetが収納されるトランサムガレージを確認しアフトコクピットから乗船する。バウのエンターテーメントエリアまで全て繊細なチークの張り巡らされたウオークアラウンドのアフトフロアに立つ。左舷のアーチウイングラダーに目をやりがちだがアフトコクピットから前方の操舵席ヘルムステーションまで見通せるワンルームのサロン・ラウンジに入る。



緩やかなS字ソファ、前方のヘルムステーションの間にはディナーテーブルと椅子。左舷側にはAVシステムやキャビネットがトランスフォーミングして潜んでいる。操舵席両サイドにはキャットウエイへのパンタグラフ式サイドドアがある。操舵席左舷サイドからはロアフロアへのコンパニオンウエイがある。ギャレーはサロンのポートサイドからロアフロアへ降りると展開するダウンギャレー、クルールームともどもゲストとのクロスラインは避けられている。


サロン・ラウンジはレザーやファニチュア、トリム材などパーシングのパートナー ポルトローナ・フラウの最新の空間が演出される。光と色彩を生かしたCozyな演出が落ち着きを見せる。メインサロンのハイテックで清廉な趣は更に落ち着きを重ね合わせ、ロアフロアに用意される4ステートのリラクゼーションゾーンへと広がり収束する。



採光と色調のトーンコントロールの施されたミジップにビームいっぱいのオーナーズステートが用意される。インテリアはもちろんビスポーク、最新のイタリアンモダンリビングが体感できるのだ。前方バウにVIPキャビン、その手前両舷にゲストステートが用意される。そのすべてがフローティングビラの心地よいステートアコモデーションが設えられている。

文:山崎憲治

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