フェラーリの偉大なるスーパーカー!伝説に残るモデルを一気に試乗比較!

Photography:Matthew Howell



まぶしい白の合金ホイールと点在するデカール。F40 GTは、標準のF40よりはるかに“真剣”な車に見える。しかし実質はグループNのレーシングカーなので、モディファイは控えめで、いわば“スキンヘッドにタトゥー”が加わった程度だ。試乗したF40 GTは、エンツォの友人だったピエール・ポポフの手で1992年からイタリアGT選手権に3シーズン参戦し、94年に2勝を挙げた。

その後は公道用にコンバートされたが、2013年にオリジナルのレース仕様にレストアされ、再びレース用エグゾーストとブレンボのレース用ブレーキ、オリジナルのマグネシウム合金ホイールを装着した。もちろんカラーリングも再現してある。

 
引き続き公道で使用することになっていたため、サスペンションブッシュはロードカー仕様のままだ。その走りは見事のひと言で、標準のF40より素晴らしい。3シーズンにわって競争力を維持した開発の結果なのかもしれない。ブレーキペダルとスロットルペダルが近く、ヒール・アンド・トウがしやすい。ギアシフトも抵抗がなく、これと比べれば一部のF40のシフトは重労働だ。
 
Momo製のステアリングが大きめでスエード巻きなのは、梃子の原理でスリックタイヤを操りやすくするためだろうか。おかげでステアリングが軽めで、車が従順に感じられる。加えて、ブーストの利き方がなだらかだ。後ろに911やXJ220を従えて、グリップの限界でパラボリカを立ち上がるときなどに、おおいに役立つだろう。実に甘美なF40だ。これまでにドライブしたF40の中でベストといってもいい。


いよいよF40 LMへ・・・続編はこちら

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo. ) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)  原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA Words:John Barker 

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